【視察レポート】世界遺産オルチャ渓谷周辺の小さな町巡り(イタリア・トスカーナ地方/2023年9~10月視察②)

こんにちは。トラベルコンサルタントの宮本です。2023年9月末~10月初旬にトスカーナ地方に行ってきました! トスカーナといえばみなさんフィレンツェやワインのイメージが強いかと思います。今回は世界遺産でもあるオルチャ渓谷周辺の小さな町を巡ってきましたので、ご紹介します。

個人でのアクセスはなかなか難しい町も多いですが、オーバーツーリズムの現状が気になる今、少しのんびりできたらいいなという方も多いのではないでしょうか。時の流れがゆったりするようなオルチャ渓谷の広々とした景色は、本当に本当に素晴らしかったです!!

オルチャ渓谷らしい糸杉が連なる風景

オルチャ渓谷らしい糸杉が連なる風景

最初に訪れた町は「アレッツォ(Arezzo)」です。アレッツォは鉄道駅もあり、フィレンツェから鉄道でも約1時間でアクセス可能な比較的大きな町です。城壁に囲まれていて、中世の町並みや貴重な芸術が今もたくさん残っており、町の方々もアレッツォの歴史にプライドを持っていることをとても感じました。

また、アレッツォはイタリア映画『ライフ・イズ・ビューティフル』のロケ地でもあります。町の至る所に映画のシーンを紹介する看板が飾られていました。とてもわかりやすくロケ地を説明してくれているので、ぜひ映画を観てから訪れていただきたいです。

アレッツォの城壁

アレッツォの城壁

城壁の北側の入口から入ると、最初にサンドメニコ教会が見えてきました。小さな教会ですが、たくさんのフレスコ画、そこに残されているチーマブーエ(フィレンツェ生まれの芸術家)の傑作といわれる『キリストの磔刑(はり付けの刑)』を見ることができます。

サンドメニコ教会

サンドメニコ教会

チーマブーエの『キリストの磔刑』

チーマブーエの『キリストの磔刑』

町を歩いていると市庁舎の斜め向かいに大きなドゥオーモが見えました。このドゥオーモのステンドグラスと天井画、とても素晴らしかったです。

ドゥオーモ外観

ドゥオーモ外観

ドゥオーモ内観

ドゥオーモ内観

天井画

天井画

内部のステンドグラス

内部のステンドグラス

続いて、イタリアワインの女王といわれるブルネッロ ディ モンタルチーノが作られる「モンタルチーノ(Montalcino)」を訪れました。町はワインの産地であることがよくわかるほど、歩いているとエノテカ(ワインを取り扱う店)がよく目に留まります。

また、ブルネッロの神殿といわれる博物館では、ワインのテイスティングや最新のテクノロジーを駆使したブルネッロの展示がされていました。町は緩やかな坂道に時計塔や城砦があり、のんびりと町歩きをしながらワインを楽しみたいところですね。

モンタルチーノの時計塔

モンタルチーノの時計塔

城砦

城砦

ブルネッロ神殿のエノテカ

ブルネッロ神殿のエノテカ

美術館のように展示されているワイン

美術館のように展示されているワイン

ワインテイスティングも可能

ワインテイスティングも可能

ワインの町らしいなと思ったのは、城砦へ昇る際の入口もエノテカとなってました。エノテカのレジで入場料(4ユーロ)を支払い、お店の中にある階段から城砦の上に上ることが可能です。

城砦の入口となっているエノテカ

城砦の入口となっているエノテカ

上ると景色を見渡すことができます

上ると景色を見渡すことができます

途中、少し離れたサンタンティモ修道院にも立ち寄りました。トスカーナらしく、オリーブやブドウ畑、糸杉に囲まれた場所にありました。ロマネスク様式の修道院で、車で近づいて行く際にも「あれだ!」とわかるくらい自然の中にポツンと佇み、存在感がありました。12世紀からある教会は天井が木製でできているのが印象的でした。

ロマネスク様式は私も初めて見たのですが、10世紀末から12世紀にかけて造られたものだそうで、アーチや柱の彫刻が特徴となるそうです。その後がゴシック様式となっていくそうなので、時代を考えてもかなり貴重であることがわかります。もちろん修復はされていますが、重苦しくなく、日常を感じるようなすごくかわいらしい教会でした。

サンタンティモ修道院

サンタンティモ修道院

教会内

教会内

教会の隣にはショップが併設されており、オリーブオイルや石けん、サンタンティモ修道院オリジナルのビールやジュースまでありました。

修道院のショップ

修道院のショップ

敷地内のオリーブ

敷地内のオリーブ

何より外にでた時の解放感が素敵です。

教会裏からの景色

教会裏からの景色

続いて、高台にありトスカーナの景色を見渡せる「ラディコーファニ(Radicofani)」を訪れました。遊歩道のようになっている場所から景色を見渡すことができるのも魅力ですが、イタリアの田舎らしいかわいい町並みも魅力的でした。

町の入口にある教会

町の入口にある教会

教会前のカフェ

教会前のカフェ

町を歩くと隠れ家のような小道が多く、迷路のように迷い込んだ気持ちになれるのも楽しかったです。お花や鉢植えも手入れされており、のどかな生活を感じるかわいい町でした。お店も数店あり、観光地と比べるとオリーブオイルやチーズなど、とても安く購入することができました。朝早く訪れたので、カプチーノを飲みながら街並みを眺めるのが幸せなひと時でした。

ラディコーファニの街並み

ラディコーファニの街並み

ラディコーファニの街並み

ラディコーファニの街並み

カフェの前にあったかわいいおうち

カフェの前にあったかわいいおうち

「カスティリオーネ ドルチャ(Castiglione d'Orcia)」は小高い丘にある町です。 町の入り口から緩やかな坂道が続いており、広場にあるカフェからもトスカーナの景色を見渡すこともできます。細い小道や路地が続いていて、生活している方々の姿もあり、古き良きトスカーナの町という印象です。

カスティリオーネ ドルチャでは2023年に修復が完了し、6月から見学可能となったロッカ アルドブランデスカ(古代の要塞)へも上りました。入口までも坂道が続き、展望台まで上る際にも階段も多かったので大変ではありますが、高いところから赤い瓦屋根の街並みとトスカーナの景色を見渡すことができました。

トスカーナの景色を背景に赤い瓦屋根が印象的

トスカーナの景色を背景に赤い瓦屋根が印象的

赤い瓦屋根の景色がどこまで広がります

赤い瓦屋根の景色がどこまで広がります

ロッカ アルドブランデスカの一番高いところからの景色

ロッカ アルドブランデスカの一番高いところからの景色

カスティリオーネ ドルチャの広場

カスティリオーネ ドルチャの広場

市内からは少し離れていますが、カスティリオーネ ドルチャに位置するワイナリー「ラ ナスコスタ(La Nascosta)」にも立ち寄りました。赤ワインの印象が強いトスカーナですが、こちらのワイナリーでは白ワインもたくさん作られているそうで、試飲させていただき、ワイナリー内も見学させていただきました。

ワイナリーのブドウ畑

ワイナリーのブドウ畑

ブドウの葉が緑色に輝いています

ブドウの葉が緑色に輝いています

ワインテイスティング

ワインテイスティング

試飲させてもらったワイン

試飲させてもらったワイン

ステンレスタンクとコンクリートタンク

ステンレスタンクとコンクリートタンク

ワイン樽

ワイン樽

宮本 佳織

トラベルコンサルタント 宮本 佳織

トスカーナの小さな町自体や、歴史、ワインも魅力的ですが、何より移動中の車窓からの景色がいつまで見ていても飽きない、素晴らしい景色ばかりでした! 移動しながらなので、写真におさめることが難しく、お伝えするのが難しいことが残念なのですが、なだらかな丘がつながり、糸杉が連なっている景色にとても癒されました。360度目の前に広がるトスカーナの景色は、ぜひ直接見に行っていただきたいです! トスカーナは鉄道やバスでのアクセスが難しいところが多いので、オプショナルツアーへのご参加や専用車でのアレンジがおすすめです!

イタリア旅行は、ぜひティースタイルへお気軽にお問い合わせください。


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