2026年 ティースタイルが選ぶ10のデスティネーション ~ 次の一歩となる旅へ

ティースタイルでは、すでに定番の旅先をひと通り経験されたお客様にこそ、次の一歩となる旅をご提案したいと考えています。

2026年にご紹介したいのは、話題性や賑わいを競う場所ではありません。その土地らしい空気が今も残り、自然や文化と無理なく向き合えること。旅の最中だけでなく、数年後に写真を見返したときにも、静かな満足感がふっとよみがえる——そんな余韻を大切にした旅先です。

パンデミックを経て、世界は再び自由に動けるようになり、各地では観光の受け入れ体制や環境への配慮が整ってきました。一方で、場所によっては人が集まり過ぎる「オーバーツーリズム」が課題となっている都市もあります。だからこそ2026年は、よく知られた定番の旅先から一歩距離を置き、「どんな時間を過ごしたいのか」「どんな体験が心に残るのか」——心の声に耳を澄ませて旅先を選ぶ時期なのだと思います。

旅の本質を求める方に向けて、ティースタイルが選んだ10のデスティネーションへとご案内します。

ブータンにあるコモ ウマ パロで過ごす休日(写真:©COMO Hotels and Resorts)

ブータンにあるコモ ウマ パロで過ごす休日(写真:©COMO Hotels and Resorts)

ケニアのマサイマラは、アフリカの大地に息づく野生の営みを、最も感じられる場所です。どこまでも続くサバンナは雄大でありながら、そこに生きる動物たちの動きは驚くほど繊細で、風や雨、草の伸び方ひとつで日々の表情を変えていきます。グレート・マイグレーション(ヌーやシマウマなどの大移動)も、毎年同じではなく、その予測のつかない流れこそが、サファリの醍醐味と言えるでしょう。

アンガマ マラやアンドビヨンドなどのラグジュアリーロッジのほか、JW マリオットのように誰もが知っている有名ブランドによるロッジもオープンし、自然への敬意を保ちながらも、滞在の快適さと安心感が格段に高まりました。ロッジとは思えないほど洗練された空間で夜を過ごし、朝は草原に昇る柔らかな光とともに目覚める——そんな体験が、今のマサイマラでは無理なく叶います。自然のリズムに身を委ね、音や気配に耳を澄ませながら過ごした時間は、旅が終わってからもふと思い出されることでしょう。野生と向き合うとはどういうことか——マサイマラは、その答えを静かに教えてくれます。

野生の息遣いを感じるサファリ

野生の息遣いを感じるサファリ

グレート・マイグレーション

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山々に抱かれた谷あいに、祈りと暮らしが自然に溶け合う風景が広がるブータン。僧侶の読経や、祈祷旗が風にはためく音が、特別なものではなく日常の一部として存在しています。寺院や僧院は観光のために切り取られた場所ではなく、人々の精神文化を今も静かに支え続ける拠り所です。たとえ旅人であっても、そこに身を置くと、この国が大切にしてきた価値観が静かに伝わってくるようです。

政治と文化の中心地ティンプー、旅の玄関口でタイガーネストもあるパロ、渓谷と大僧院が美しい旧都プナカなどに、アマンやシックスセンシズ、コモといったラグジュアリーなホテルブランドが、伝統建築や周囲の景観に細やかな配慮を重ねながら滞在環境を整えてきました。快適さと簡素さが無理なく共存する空間で過ごす時間は、忙しさの輪郭がほどけ、呼吸がゆっくり整っていきます。ブータンへの旅は、何かを見に行くというより、自分の内側へと意識が静かに向かう体験です。澄んだ山の空気の中で、心がほどけ、少し軽くなっていく感覚が、深い余韻として長く残ります。

仏教の聖地タクツァン僧院(タイガーネスト)

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アマンコラ パロのラウンジから望む霊峰チョモラリ

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ヨーロッパとアジアの境界、コーカサスの山並みを背に広がるジョージアは、東西文明が行き交いながら形づくられてきた国です。首都トビリシの旧市街には石畳の道が続き、時代を重ねた建物が今も静かに佇んでいます。ジョージア正教の聖地ムツヘタでは、世界遺産に登録された聖堂が、祈りの場として変わらぬ時間を刻んでいます。歴史は日々の風景としてそこに在り続けている——そんな印象を受ける土地です。

また東部に位置するカヘティ地方は、ジョージアのワイン文化を代表する地域として、古くから人々の暮らしとともにワイン造りが続けられてきました。ブドウ畑は特別な観光資源というより、人々の生活の延長にあり、ワインもまた、日々の食卓や人との集まりを支える役割を果たしてきました。

近年のジョージアでは、ブティックホテルや洗練されたワイナリー施設が整い、文化に触れるための環境も穏やかに進化してきました。派手さはありませんが、食と暮らしを通して文明の源流に触れる体験は、ゆっくりと時間をかけて心に染み込んでいくようです。

ジョージアの首都トビリシ

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ジョージア北西部、コーカサス山脈を望む集落

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ルネサンス発祥の古都フィレンツェから少し足をのばすと、穏やかな美しさをたたえたトスカーナの風景が広がります。オルチャ渓谷のなだらかな丘陵、糸杉が続く一本道、小さな村に残る石造りの家々。そのどれもが、長い時間の中で自然と人々の営みが調和し、育まれてきた姿を今に伝えています。朝と夕方で光の角度が変わるたび、同じ景色が異なる表情を見せることも、この土地ならではの魅力です。

トスカーナには、かつて村や集落だった場所を改修した「ボルゴ(Borgo)」や、城や貴族の館を生かした「カステッロ(Castello)」と呼ばれる宿泊施設が点在しています。建物そのものが時間を重ねた旅の舞台として存在し、ここに泊まることで、旅の印象がひときわ鮮明になります。レストランやスパ、ワイナリーを備える施設も多く、外へ出かけなくても1日の流れが自然に整っていきます。この地では急ぐ旅は似合いません。トスカーナの風景のなかで過ごすうちに、この土地が積み重ねてきた豊かさが、静かに実感として伝わってきます。

夕日に染まるトスカーナの丘

夕日に染まるトスカーナの丘

丘陵地に続くトスカーナのブドウ畑

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バルセロナから空路でほど近い地中海に浮かぶマヨルカ島とイビサ島。ヨーロッパの夏を象徴する島として人気ですが、よく知られた華やかなイメージとは異なる、穏やかな時間が流れています。バレアレス諸島最大の島マヨルカでは、山と海に抱かれた内陸の村々に素朴な暮らしが今も残り、石造りの家並みやオリーブ畑が、土地の記憶をさりげなく伝えています。一方、ナイトライフの印象が強いイビサも、賑わいのある海岸線から離れると、北部や内陸には自然とともにある暮らしが息づき、風や光の移ろいを感じながら過ごす日常があります。

マヨルカのフォーシーズンズや、イビサのシックスセンシズをはじめ、2つの島には景観や歴史への敬意を大切にしたラグジュアリーホテルが、風景に溶け込むように点在しています。マヨルカやイビサに滞在することで、地中海が持つ静けさと躍動、その両方を無理なく味わうことができます。光と風に包まれて過ごすひとときが、心に穏やかな余白として長く残ることでしょう。

マヨルカ島

マヨルカ島

イビサ島

イビサ島

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ミクロネシアの島国パラオは、海そのものが国の記憶であり、人々の暮らしと深く結びついてきた場所です。世界遺産にも登録されているロックアイランドが点在するラグーンは、驚くほど透明度が高く、陽の高さや雲の動きによって、刻々と表情を変えていきます。国を挙げて続けられてきた環境保全への取り組みが、今もなお海の美しさを静かに支えていることを、滞在を通して自然に感じ取れるでしょう。パラオの海は、自然と向き合うとはどういうことかを、言葉ではなく体感として思い出させてくれるのです。

「フォーシーズンズ エクスプローラー パラオ」は、そんなパラオの海と、最も自然な形で向き合うための滞在スタイルです。ひとつの場所に留まるのではなく、船そのものを拠点に島々を巡ることで、海の表情を時間の流れとともに味わうことができます。朝は穏やかなラグーンに目覚め、日中は人の気配の少ない入り江へと向かい、夕暮れには空と海が溶け合う色彩を眺めながら一日を終える。風や波の音に包まれて過ごすうちに、海のリズムが自然と感覚に馴染んでいくようです。

緑の島々が海に浮かぶパラオの海

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パラオの海を巡るフォーシーズンズ エクスプローラー

パラオの海を巡るフォーシーズンズ エクスプローラー

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インドネシア中部、バリ島の東に連なる島々から成るコモド国立公園では、太古の時間が今も途切れることなく続いてきました。乾いた丘陵が連なる陸地と、強い光を受けて色を変える海。その境界線がくっきりと分かれた風景は、東南アジアの中でも独特の表情を持っています。島々の一角には、砕けた赤サンゴと白砂が混じり合って生まれたピンクビーチが点在し、澄んだ青の海との対比が静かな印象を残します。

この地を象徴する存在が、世界最大のトカゲとして知られるコモドドラゴンです。恐竜を思わせる姿を今にとどめた生き物が、野生のまま生息し、独自の生態系を築いています。人の営みよりも自然が優先されるこの地域では、レンジャー同行での観察が義務付けられ、自然と向き合う距離感が厳密に保たれています。

滞在の拠点となるのは、周辺環境への配慮を前提に整えられたフローレス島です。そこから、環境負荷を抑えたクルーズで島々を巡り、海と陸の表情を時間の流れとともに味わいますコモドでの時間は、人が自然とどう関わるべきかを、体験として示してくれます。

コモド国立公園クルーズの寄港地のひとつ、ケロール島からの眺め

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コモド国立公園クルーズの起点となるフローレス島のピンクビーチ

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フィンランド最北部に広がるラップランドの冬の夜空には、静けさそのものが満ちています。サーリセルカやロヴァニエミ郊外など、街の光が抑えられたエリアでは、空は驚くほど深く澄み渡ります。そんな夜空に揺れるように現れるオーロラは、強い光というより、空の奥からゆっくりとにじみ出てくるようです。音もなく形を変えながら現れては消えていくその姿は、ひとときの現象でありながら、強い印象を残します。特に2026年は、太陽活動が活発になる周期のピークにあたる時期とされ、オーロラ出現の条件が整いやすい年と考えられています。こうした天体のリズムと、空気の澄んだラップランドの環境が重なることで、オーロラに出会う可能性が高まります。

滞在先として注目されているのが、ガラスイグルーと呼ばれる宿泊施設です。室内にいながら夜空を見上げることができ、寒さを気にすることなく、静かに空の変化を待つことができます。自然と距離を取りすぎず、かといって身構える必要もない。その絶妙なバランスがフィンランドでのオーロラ観賞を、穏やかで満ち足りた時間へと導いてくれます。

静かに揺らめくオーロラ

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ラップランドの雪で覆われた森を歩く

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ニュージーランドの旅の魅力は、自然が主役となった風景のスケールにあります。とりわけ南島では、最高峰アオラキ/マウントクックを擁するサザンアルプスの稜線、切り立ったフィヨルド地形が圧巻のミルフォードサウンド、そして星空の美しいテカポ湖など、この地でしか出会えない景色に満ちています。

南島では“移動すること”そのものが旅の一部になります。車窓から景色を眺めているだけでも、名もない草原や湖、山の稜線に心をとらえられる瞬間があり、ふと車を止めたくなることも少なくありません。目的地へ急ぐより、心の赴くままに進む——そんな旅のリズムが自然に叶えられる場所なのです。

そして、旅の途中で加えたいのが、ワイナリーでのひとときです。ブドウ畑の向こうに連なる山並みや、どこまでも広がる空を眺めながらグラスを傾ければ、南島の旅を静かに彩ります。湖畔を歩き、短いトレイルで体を動かしたあと、午後はワイナリーでゆっくりと過ごし、夜には星を見上げる。何かを詰め込む必要のない1日が、南島の旅の思い出として深く胸に刻まれることでしょう。

雄大な景色の中をトレッキング

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テカポ湖のほとりにある「良い羊飼いの教会」

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中東の大国サウジアラビアは、長らく限られた人々だけが足を踏み入れてきた国でしたが、観光ビザの解禁を機に、その姿を少しずつ世界に開き始めました。2030年に向けた紅海沿岸の大規模な開発プロジェクトでは、世界的ラグジュアリーホテルが次々と誕生しつつあり、感度の高い旅人から注目を集めています。そんなサウジアラビアの中でも、ひときわ異なる時間の流れを感じさせる場所が、北西部の砂漠に位置するアルウラです。

アルウラは、乾いた砂漠の大地に文明の痕跡が静かに刻まれた土地です。古代、ナバテア人の交易都市として栄え、今も岩肌に刻まれた巨大な墳墓の数々が残り、独特の景観を生み出しています。ここでは、自然と対峙しながら生きてきた人々の営みが、風景そのものとしてそこに在り続けています。

近くには、バンヤンツリーやハビタスといったラグジュアリーホテルが、景観や歴史への敬意を大切にしながら点在しています。建築は風景に溶け込み、訪れる人はこの土地が本来持つ空気感と向き合うことができます。変化の只中にあるサウジアラビアにあって、アルウラは文明と自然、その両方を静かに感じることができる稀有な場所なのです。

ナバテア王国の時代のマダイン・サレハの墓

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アルウラ旧市街

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いかがでしたか?

心に残った場所や情景があれば、それが次の旅のはじまりです。ティースタイルは、旅先を決めるところから、その時間の過ごし方まで、お客様の感覚に寄り添いながら丁寧に旅を組み立てていきます。次の一歩となる旅を、担当トラベルコンサルタントまで、ぜひご連絡ください。

旅のご相談をお待ちしております。

2026.01.01.updated