【現地レポート】モンゴルの「ツーリストゲル」に泊まる家族旅行 with車いす(モンゴル・ウランバートル/2023年8月体験)

トラベルコンサルタントの森本です、2023年8月に、家族&親戚の計5人で行ったモンゴル旅行、最高でした! 草原、ゲル(移動式住居)、乗馬、バッタ、星空、風、伝統料理…これくらいかな?! 何にもないけど、振り返ると最高の思い出ができました。何よりモンゴルの人たちから、たくさんのおもてなしを受けて、“車いすでもゲル体験”ができたことが、何より感動しました!

日本から近いなのにまだまだ知られていない、モンゴル旅をぜひ、おすすめしたいのでレポートします!

草原の中に佇むゲル

草原の中に佇むゲル

数年前コロナ禍で、ツーリストゲルのオーナーさん(日本語を話すモンゴル人と日本人コーディネーター)と、オンラインで何度か仕事で中継をしてつながり、コロナ後はぜひ家族と行ってみたいと思っていました。「日本から近くて直行便で行ける」こと、「日本語が通じるので車いすの家族を連れて行っても安心」だと思い行くことにしました。

今回のモンゴル旅行では、ゲルでの生活を子供たちと体験したい、夏でも涼しいところに行きたい、首都ウランバートルも見てみたい、車いすでどこまで楽しめるかやってみること、これらにこだわりました。遊牧民ゲルも興味がありましたが、まずはツーリストゲルで試してみました。

≪遊牧民ゲルとツーリストゲルの違い≫
「遊牧民ゲル(遊牧民宅へのホームステイ)」は、遊牧民の日々の仕事を体験できます。例えば、羊の放牧の手伝い、牛の乳搾りや水くみ、薪割り、子供と一緒に遊ぶことまで、いろいろなことを体験します。そして、遊牧民が建てたお客様用のゲルに泊まります。

今回私たちが宿泊した「ツーリストゲル」は、遊牧民は住んでいません。水洗トイレや温水シャワーは完備され、巨大なゲルをレストランにしています。お酒やお土産なども購入できます。遊牧民ゲルは毎年場所が変わりますが、ツーリストゲルは固定です。モンゴルでは水が貴重なのでなかなか温水シャワーの出るツーリストゲルはありませんが、今回滞在したツーリストゲルでは21時までですが可能です。

ツーリストゲルで宿泊体験してきました!

ツーリストゲルで宿泊体験してきました!

モンゴルのベストシーズンと言われる時期は6月~9月。今回利用したMIATモンゴル航空では、夏期に関空から週2便(6月~9月)、東京成田から毎日直行便が飛んでいました(2023年8月時点)。7月から豪雨が続きフライトの乱れがあり、8月の我々の出発日もウランバートル空港の天候不順で2~3時間遅延…。

チェックインの様子。車いすのリクエストを事前にしています。たいへん親切にしていただきました

チェックインの様子。車いすのリクエストを事前にしています。たいへん親切にしていただきました

MIATモンゴル航空 エコノミークラスの機内食(一例)

MIATモンゴル航空 エコノミークラスの機内食(一例)

せっかくウランバートルのケンピンスキー ホテル カーン パレスを予約したのに、ホテルに着いたのは夜中2時でした。それは、仕方がありません。専用車は待っていてくれ、ホテルまで私たち5人と荷物3個、車いす1台を運んでくれました。

ホテルのチェックインの様子

ホテルのチェックインの様子

お部屋の様子(3人部屋)

お部屋の様子(3人部屋)

ちなみに、ウランバートルのホテルは、選ぶのにとても時間がかかりました。車いすでロビー、お部屋、レストランにアクセスできること、5人で宿泊できるところ、エレベーターの大きさに車いすが入れるかを確認して予約しました。ティースタイルにご依頼いただくと、コンサルタントがご希望に合わせて、現地のホテルに確認します。

ウランバートルから車で1時間半くらいかけてナライハ区のツーリストゲル「エルデネ キャンプ Eldene camp」に到着しました。車いすが乗れるスロープ車や福祉車両は手配できないので、車2台(私たち5人の車と、スーツケースと畳んだ車いすを乗せる車)を利用しました。ドライバーさんも日本語を話すガイドさんも、本当に優しく力持ちでした。

草にタイヤがからまるけれど、なんのその。ガイドさんは力持ち!

草にタイヤがからまるけれど、なんのその。ガイドさんは力持ち!

草原のにおい、最高! 動物とハーブのにおい(笑)

草原のにおい、最高! 動物とハーブのにおい(笑)

エーデルワイスが大量に咲いていました

エーデルワイスが大量に咲いていました

私たちのゲルの中はこんな感じで、真ん中にストーブがありました。ウランバートルの北緯は47度55分。訪れた8月でも夜は冷えるので、夜通しストーブをたいていました。こちらのゲルは通常、2~5名様用です。大人数の場合は分かれて泊まります。

私たちのゲルの内部。真ん中にストーブ

私たちのゲルの内部。真ん中にストーブ

換気と温度調整はゲルの毛布をめくって風を入れます

換気と温度調整はゲルの毛布をめくって風を入れます

さまざまなゲルがモンゴル内にはありますが、こちらのゲルの中には水場はないので、別の建物で共同で使うトイレとシャワーコーナーがあります。発電機を使ってお湯を作るので21時にお湯は止まります。

共同シャワー

共同シャワー

共同トイレ

共同トイレ

ホテルでいうところの、フロントがあるメインの建物は大きなゲルでした。朝・昼・夕食はすべてこのゲルに宿泊客皆が集まり、一斉にいただきます。民族衣装の貸し出しもあり、自由に写真も撮れます。騎馬隊のかっこいい衣装もありますよ!

レセプションやレストラン、お土産コーナーがあるメインのゲル

レセプションやレストラン、お土産コーナーがあるメインのゲル

衣装を借りて撮影。まるで現地のファミリー(笑)

衣装を借りて撮影。まるで現地のファミリー(笑)

メインのゲルではお土産も買えます

メインのゲルではお土産も買えます

メインのゲルにはキッチンの建物がくっついており、そこで10ゲルのお客様全員の食事を作ってくれています。伝統儀式の「ホルホグ」は羊1頭の命をいただくので、外の草原で行います。命の有り難さを大人も子供も見守りました。

遊牧民は草原に血を流さないらしく華麗なる儀式でした

遊牧民は草原に血を流さないらしく華麗なる儀式でした

焼いた石で先ほどの羊、野菜、塩で蒸し焼きにします

焼いた石で先ほどの羊、野菜、塩で蒸し焼きにします

ホルホグ完成! 最高の味

ホルホグ完成! 最高の味

全員でいただきまーす! 翌日の昼食は羊がミンチになって麺にのってでてきました。甘く炒めた野菜と塩だけの絶品のお味でした。

全員でいただきまーす!

全員でいただきまーす!

翌日のお昼ご飯の様子。いただきまーす

翌日のお昼ご飯の様子。いただきまーす

ゲルでの朝食はこんな感じです

ゲルでの朝食はこんな感じです

エルデネ キャンプでは、初心者にも乗りやすく、穏やかな馬をたくさん有しています。そのため、乗馬を楽しみたいという目的の方におすすめです。乗馬に特化していたので、10才の子供でも体験できました。もちろん、しっかり乗馬前に安全説明を受けて自己責任にはなりますが、子供には優しい小さめの馬を選んでくれ、遊牧民がしっかり手綱を引いてくれました。1度の乗馬ツアーが大体2時間。希望すれば午前に1回、午後にも1回乗れました。

選りすぐりの馬たち。人とこれからマッチングをします

選りすぐりの馬たち。人とこれからマッチングをします

僕の相棒は小さめの馬。「白菜」と名付けました

僕の相棒は小さめの馬。「白菜」と名付けました

日本の乗馬クラブのグループさんは、ゲルには泊まらず、乗馬をしながら3~4泊くらいテント泊で旅するプランに参加されていました。ずっとシャワーなしの日々だったので、ナライハのツーリストゲル(エルデネ キャンプ)に帰ってきたときは、シャワーの有り難さを話してくれました。

テレビもない草原で何日か過ごすので、何をしようかな…と、日本から凧(たこ)を持って行きました。風がすごいので大成功! 羊の乳でフルーチェを作れるか実験をしようと思い持っていきましたが、羊が乳を出す時期ではなく…、残念ながらフルーチェはできずでした。

星空も楽しみのひとつです。あまりに素晴らしいので毎晩2時間くらい飽きずに見ていました。寒いのでダウンジャケットを着ながら(笑)。しし座流星群の日だったので、「見た流れ星の数を家族で競う」という体験も思い出です。

風、風、風! 日本から持ってきた凧をあげてみた

風、風、風! 日本から持ってきた凧をあげてみた

弓をかりて遊べます。楽しい~。

弓をかりて遊べます。楽しい~。

ゲルと星空。北斗七星もばっちり

ゲルと星空。北斗七星もばっちり

今回は、ツーリストゲルでの滞在にくわえて、ウランバートル市内に宿泊し、市内観光をしてきました。ウランバートル観光で外せないのは、スフバートル広場。国立博物館やオペラ座、国会議事堂である政府宮殿に囲まれた広場です。

国会議事堂入口の巨大なチンギス ハン像

国会議事堂入口の巨大なチンギス ハン像

スフバートル広場。革命家スフバートルの騎馬像

スフバートル広場。革命家スフバートルの騎馬像

巨大な屋内仏で有名な「ガンダンテンチェンリン寺」も訪れました。

ガンダン テクチェンリン寺

ガンダン テクチェンリン寺

ガンダン テクチェンリン寺(内部)

ガンダン テクチェンリン寺(内部)

こちらはウランバートル市内の様子です。

日本のお店もありました

日本のお店もありました

日馬富士学園前(一貫教育校)を通過

日馬富士学園前(一貫教育校)を通過

Ulaanvaatar(ウランバートル)のサイン

Ulaanvaatar(ウランバートル)のサイン

実際に今回旅したモンゴルのスケジュールをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

・フライトスケジュールは2023年8月時点のものです。時期によってフライト時間や所要時間は変動します
・食事:特に記載のない限り、〇の場合の食事場所は宿泊ホテルです

日程 内容 滞在地 / ホテル
1日目(8/12)

★直行便にてモンゴルの首都「ウランバートル」へ

ウランバートル / ケンピンスキー ホテル ハーン パレス(計1泊)
2日目(8/13)

★ウランバートル観光を楽しんだ後、ツーリストゲルのある草原へ

ナライハ / エルデネ キャンプ(計2泊)
3日目(8/14) 同上
4日目(8/15) ウランバートル / ザ コーポレート ホテル コンベンション センター(計1泊)
5日目(8/16)

★空路にて帰国の途へ


森本 純子

トラベルコンサルタント 森本 純子

大阪から約4時間、東京から約5時間という、アジアのお近くの国で異文化で大自然が楽しめます。今回は行かなかったけれど、カラコルムや温泉があるところ、川で釣りができるところもあり、また行きたいと思う国でした。リピーターの方は真冬も好き、なんておっしゃいます。

ハネムーンさんにもおすすめです。リッチなゲルもありますし、ドローンで写真を撮影したり、モンゴル人のハネムーナーが訪れるスポットにご案内するプランもつくれます。ウランバートルでは5名1室のホテルは見つけにくいのですが、ゲルでは家族5人で泊まれましたので、家族三世代旅にもおすすめです。

モンゴルといえば、2023年にブームになったドラマ『VIVANT』がありますね。ちょうど私たちが訪れたときに、日本で放送されていました。ロケ地巡りツアーもできます。ウランバートルで宿泊したケンピンスキーのホテルも撮影につかわれていましたよ。

夏の旅の候補にモンゴルはいかがでしょうか? ティースタイルにぜひご相談ください。


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