【視察レポート】カスティーリャ イ レオン州3都市周遊! バリャドリード・サモーラ・レオン街歩き(スペイン/2025年11月視察)

こんにちは、ティースタイルの関です。2025年11月にスペインのカスティーリャ イ レオン州を訪れました。その際に州都バリャドリッドほか、カスティーリャ イ レオン州内の主要都市を視察する機会にも恵まれましたので、その様子をご紹介させていただきます。

レオンの象徴的存在、レオン大聖堂

レオンの象徴的存在、レオン大聖堂

スペイン北西部に位置するカスティーリャ イ レオン州の州都「バリャドリード(Valladolid)」は、同州の政治、文化、経済の中心として発展してきた都市です。かつてはスペイン王室が一時居を構えた歴史を持ち、その名残は旧市街に点在する壮麗な建築物からも感じることができます。マヨール広場やサン パブロ教会、大聖堂などの歴史的建造物がコンパクトに集まり、街歩きしやすい落ち着いた雰囲気が訪れる人々を魅了します。

また、バリャドリードは“美食の街”としても知られています。特に子羊の丸焼き「レチョナス」や、近郊で造られる「リベラ デル ドゥエロ」や「ルエダ」などの上質なワインが名高く、豊かな食文化も大きな魅力です。

さらに、スペイン黄金世紀の文化と深く結びついた都市でもあり、『ドン キホーテ』の作者ミゲル デ セルバンテスが暮らした家が現存するなど、文学史にも重要な足跡を残しています。このように、バリャドリードは歴史、文化、美食が調和した、カスティーリャ イ レオン州を象徴する都市といえます。

小雨が降る中での観光でしたが、ライトアップされた大聖堂や国立彫刻美術館が一層荘厳な雰囲気を醸し出し、その美しさをじっくりと味わうことができました。 (スケジュールの関係で、観光は夜の時間になってしまいました。)

「バリャドリード大聖堂」は、16世紀後半に建築家フアン デ エレラによって設計されたルネサンス様式の大聖堂です.。壮大な計画のもと建設が進められましたが、資金不足などにより完成しないまま現在に至っています。

重厚なファサードと、シンプルながらも力強いエレリア様式が特徴で、内部には17~18世紀の宗教芸術が残されています。“未完の大聖堂”として知られる、バリャドリードを代表する歴史的建造物です。

重厚なファサードと、シンプルながらも力強いエレリア様式が特徴で、内部には17~18世紀の宗教芸術が残されています。

“未完の大聖堂”として知られる、バリャドリードを代表する歴史的建造物です。

バリャドリードの「サン パブロ教会」は、華やかなゴシック装飾が施された壮麗なファサードが印象的な、街を代表する歴史的建造物です。15世紀に建てられ、細密な石彫がびっしりと刻まれた外観は“石のレース”とも称されるほどの美しさ。周囲の広場に堂々とたたずむ姿は、この街の宗教文化の豊かさを象徴しています。

サン パブロ教会

サン パブロ教会

壮麗なファサード

壮麗なファサード

バリャドリードの「国立彫刻美術館」は、歴史あるかつての神学校「サン グレゴリオ学院」の壮麗な建物の一部を利用したスペイン屈指の彫刻専門美術館です。

こちらの写真が、国立彫刻美術館です。中世から近世にかけての宗教彫刻が多く収蔵され、木彫彩色による迫真の表現が訪れる人々を魅了します。建物自体の美しさとともに、スペイン彫刻芸術の奥深さが感じられるスポットです。 バリャドリードにはたくさんの美術館がありますが、中でも国立彫刻博物館は時間をかけて訪れたい必見スポットです。

こちらの写真が、国立彫刻美術館です。中世から近世にかけての宗教彫刻が多く収蔵され、木彫彩色による迫真の表現が訪れる人々を魅了します。建物自体の美しさとともに、スペイン彫刻芸術の奥深さが感じられるスポットです。

バリャドリードにはたくさんの美術館がありますが、中でも国立彫刻博物館は時間をかけて訪れたい必見スポットです。

旧市街にある屋根付きの商業ギャラリー(アーケード)もバリャドリードの見どころのひとつで、今回私たちは「パサヘ グティエレス」を訪れました。

屋根付きのアーケードはスペイン国内では希少な存在。かつては商店街としてにぎわっておりましたが、人気が衰退し、荒廃していた時期もあったようです。現在はすっかり修復され、カフェ、レストラン、小さなショップなどが入り、観光客や地元のお客さまが訪れる人気スポットとなっております。

パサヘ グティエレス

パサヘ グティエレス

カフェ、バーなどが立ち並び、にぎわっておりました

カフェ、バーなどが立ち並び、にぎわっておりました

スペイン北西部に位置する「サモーラ(Zamora)」は、“ロマネスクの宝庫”として知られる落ち着いた古都です。ドゥエロ川沿いに広がる旧市街には、多数のロマネスク教会や中世の城壁が残り、静かな街並みに歴史の趣きが色濃く漂います。観光地化されすぎていない素朴さも魅力で、スペインの深い歴史と文化をじっくり味わうことができます。

サモーラでガイドさんと街歩き

サモーラでガイドさんと街歩き

スペイン北部からポルトガルを横断して大西洋へ流れる大河、ドゥエロ川

スペイン北部からポルトガルを横断して大西洋へ流れる大河、ドゥエロ川

マヨール広場に面して建つ「サン フアン デ プエルタ ヌエバ教会」は、12世に建てられた伝統的ロマネスク様式のカトリック教会です。

かつては3つの身廊を持つ大きな構造でしたが、16世紀の改修で身廊はひとつに絞られ、その簡素ながらも重厚なロマネスク建築が現存しています。南側ファサードの入口にある三連アーチの上には“車輪型のロゼッタ”が配されており、この窓はサモーラの象徴的な意匠のひとつにもなっています。

教会内部には、バロックからルネサンス期にかけての祭壇画や彫刻があり、宗教芸術の歴史とともに、信仰と文化の深さ感がじられます。かつては鐘楼も備えていましたが、20世紀初頭に取り壊され、現在の塔が再建されています。

教会内部には、バロックからルネサンス期にかけての祭壇画や彫刻があり、宗教芸術の歴史とともに、信仰と文化の深さ感がじられます。

かつては鐘楼も備えていましたが、20世紀初頭に取り壊され、現在の塔が再建されています。

「サンタ マリア マグダレナ教会」 は、サモーラ旧市街にあるロマネスク様式の美しい教会です。

この教会は13世紀頃に建てられ、外観はシンプルながらも繊細な装飾が施された入口のアーチや、優雅なロゼッタ(バラ窓)が特徴です。

この教会は13世紀頃に建てられ、外観はシンプルながらも繊細な装飾が施された入口のアーチや、優雅なロゼッタ(バラ窓)が特徴です。

ビリアトは、古代イベリア半島のルシタニア族の英雄で、紀元前2世紀ごろにローマ帝国に抵抗した指導者です。スペインやポルトガルの一部地域では民族的英雄として尊敬されており、各地にビリアト像が建てられています。特に、ここサモーラにある「ビリアト像」が有名で、厳しい表情で武器を構える姿が印象的です。

サモーラ旧市街には、同地出身の世界的彫刻家バルタザール ロボを記念したブロンズ像が設置されています。外套(がいとう)をまとい、少し前かがみで歩くロボの像は、静かなサモーラの街並みと調和し、郷土が誇る芸術家への敬意を象徴しています。

ビリアト像

ビリアト像

世界的彫刻家バルタザール ロボのブロンズ像とガイドさん

世界的彫刻家バルタザール ロボのブロンズ像とガイドさん

「サモーラ大聖堂(Catedral del Salvador de Zamora)」 は、サモーラ旧市街を代表する歴史的建築物で、12世紀に建てられたロマネスク様式の大聖堂です。スペインのロマネスク建築では珍しいうろこ状のタイルで覆われた円蓋(ドーム)が特徴的で、その独特のシルエットはサモーラの象徴となっています。

内部には、荘厳な身廊や美しいステンドグラス、そして中世の美術品が残されており、静かで落ち着いた雰囲気が漂います。大聖堂の周辺には石畳の美しい旧市街が広がり、街歩きのメインスポットとして多くの旅行者が訪れます。

なお、私たちが訪問した2025年11月には、“ESPERANZA(希望)”をテーマにした企画展が行われており、大聖堂の空間に彩りを添えていました。

サモーラ大聖堂

サモーラ大聖堂

ESPERANZA(希望)

ESPERANZA(希望)

企画展の様子

企画展の様子

スペイン北西部に位置する「レオン(Leon)」は、中世にはレオン王国の首都として栄え、今も随所に歴史と文化が色濃く感じられる魅力的な都市です。スペイン屈指のステンドグラスを誇る「レオン大聖堂」や、ロマネスク美術の傑作が集まる「サン イシドロ聖堂」など、見応えのある建築がコンパクトな旧市街に集まっています。また、「カミーノ デ サンティアゴ(サンティアゴ巡礼路)」の主都市市として、多くの巡礼者が行き交う活気とあたたたかい雰囲気に包まれています。

さらに、レオンといえば美食も大きな魅力です。特に旧市街の「バリオ ウメド」は、タパスバーが軒を連ねる街一番の繁華街で、ドリンクを注文することでさまざまなタパスが無料で提供されることでも有名です。

レオンは、歴史散策、美しい建築、美食文化がぎゅっと詰まった、旅行者にとって満足度の高いおすすめの都市です。

「タペアール(tapear)」とは、“タパス( tapas)を食べながらバーをはしごする”というスペインならではの楽しみ方で、地元の人々の暮らしに深く根付いた食文化です。私自身も大学時代の留学中、週末にはよくレオンの旧市街にあるバリオ ウメド地区でタペアールを楽しみました。活気とあたたかさにあふれるこのエリアは魅力でいっぱいです。

「タペアール(tapear)」とは、“タパス( tapas)を食べながらバーをはしごする”というスペインならではの楽しみ方で、地元の人々の暮らしに深く根付いた食文化です。

私自身も大学時代の留学中、週末にはよくレオンの旧市街にあるバリオ ウメド地区でタペアールを楽しみました。活気とあたたかさにあふれるこのエリアは魅力でいっぱいです。

レオンの旧市街に位置する「サン イシドロ美術館」は、ロマネスク芸術の宝庫として知られる歴史的な複合施設です。サン イシドロ聖堂と王家のパンテオン(墓所)に併設されており、“ロマネスクのシスティーナ礼拝堂”と称される鮮やかな壁画群は必見です。

サン イシドロ美術館には中世の写本や宝飾品、聖遺物なども展示され、レオン王国の栄華を伝える貴重な文化財に触れることができます。歴史と芸術が凝縮された、レオン観光には欠かせないスポットです。

サン イシドロ美術館には中世の写本や宝飾品、聖遺物なども展示され、レオン王国の栄華を伝える貴重な文化財に触れることができます。歴史と芸術が凝縮された、レオン観光には欠かせないスポットです。

サン・イシドロ美術館の展示物の一部をご紹介いたします。

1. 象牙装飾聖遺物箱
中世期に制作されたとされる木製の聖遺物箱で、表面には精緻な象牙のレリーフが貼付されています。

2. 銀製聖具
礼拝や行列で使用された聖具で、緻密な装飾と優美な構造が特徴。細部まで施された彫金は当時の職人技の高さを物語り、宗教儀式における象徴性と美術的価値を兼ね備えています。

3. 天井装飾レリーフ
天井中央に配された立体的なレリーフで、騎士と兵士たちが躍動的に表現されています。鮮やかな彩色と迫力ある造形が特徴。周囲にはバロック様式の装飾モチーフが細やかに施され、空間全体に荘厳さを与えています。

1. 象牙装飾聖遺物箱

1. 象牙装飾聖遺物箱

2. 銀製聖具

2. 銀製聖具

3. 天井装飾レリーフ

3. 天井装飾レリーフ

「カサ ボティネス」は、レオンにあるガウディ設計の近代建築です。19世紀末に商業・住宅ビルとして建てられたこの建物は、ガウディらしい曲線と中世風のデザインが融合し、尖塔を備えた外観がまるで小さな城のような雰囲気です。

カサ ボティネスは現在博物館として公開されており、ガウディの創造性に触れられるレオンの人気観光スポットとなっています。

カサ ボティネスは現在博物館として公開されており、ガウディの創造性に触れられるレオンの人気観光スポットとなっています。

歴史ある大聖堂や美しい旧市街が魅力的なレオンは、「サンティアゴ巡礼路(カミーノ デ サンティアゴ)」の主要都市でもあります。古くから巡礼者を迎えてきたこの地には、静けさと活気が共存し、旅の途中にひと息つくのにふさわしい落ち着いた雰囲気があります。

旧市街を散策

旧市街を散策

巡礼の道を示す看板

巡礼の道を示す看板

巡礼者を導く足あと

巡礼者を導く足あと

巡礼路のシンボルであるホタテのレリーフ

巡礼路のシンボルであるホタテのレリーフ

「レオン大聖堂」は、“光の大聖堂”と呼ばれるほど壮麗なステンドグラスを誇る、スペイン随一のゴシック建築です。13世紀に建てられたこの大聖堂は、フランスゴシックの影響を色濃く受け、その繊細なアーチ構造と大きなロゼッタ、そして内部を満たす鮮やかな光が訪れる人々を魅了します。

サンティアゴ巡礼路の重要な拠点としても長い歴史を持ち、多くの巡礼者がここで祈りと安らぎを求めてきました。レオンの象徴であるこの大聖堂は、中世の信仰と芸術の結晶と言える存在です。

レオン大聖堂

レオン大聖堂

色鮮やかなステンドグラス

色鮮やかなステンドグラス

大聖堂内部の祭壇

大聖堂内部の祭壇

美しい回廊

美しい回廊

関 啓吾

トラベルコンサルタント 関 啓吾

落ち着いた気品が漂うバリャドリード、石造りの街並みが中世の息吹を伝えるサモーラ、そしてカミーノ(聖なる巡礼)の精神が今も静かに息づくレオン。それぞれが異なる表情を持ちながらも、スペイン北西部が誇る深い歴史と文化の奥行きを感じさせてくれる街々でした。

スペイン旅行をご検討中の方は、ティースタイルまでどうぞお気軽にお問い合わせください! 皆さまの旅のお手伝いができれば幸いです。


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