【視察レポート】アフターコロナの日本とオーストラリア出入国の流れを解説! 全日空編(オーストラリア・シドニー/2022年5月視察①)

トラベルコンサルタントの須沢です。2022年5月、私は旅行業界向けの商談会参加と視察のためにオーストラリアのシドニーを訪れました。2022年6月1日から日本入国時の検疫措置なども緩和されましたが、実際に今の空港はどうなのか、海外旅行に慣れている方でもアフターコロナではどうなっているか知らない方がほとんどかと思いますので、現在の様子をレポートさせていただきます。

羽田空港(ANAカウンター)の様子

羽田空港(ANAカウンター)の様子

しばらく観光客の受け入れを停止していたオーストラリアですが、2022年の2月から段階的に観光客の受け入れを開始しました。日本からオーストラリアへの入国条件としてはワクチン2回以上接種していれば隔離なしでの入国が可能です。そのため事前にワクチン接種証明書をアプリ上で取得するか(マイナンバーカードを持っていればものの1分ほどで取得可能)、自治体にて紙のワクチン接種証明書を発行してもらう必要があります。自治体によっては紙のワクチン接種証明書の発行に時間がかかることがあるようなので、海外旅行が決まったら早めにワクチン接種証明を取得することをおすすめします。

他に2つ必要なものがあります。
まず1つめはオーストラリアVISA、かつてETAS(イータス)と呼ばれていたものがコロナをきっかけに形を変え、現在ではスマホのアプリから申請する形となり、名前も「ETA(イータ)」になりました。私は比較的すぐに取得できましたが、基本は24時間以内とのことです。金額は20AUDで、ETASのときと変わっておりません。残念ながらアプリのスクリーンショットが取れない仕様になっておりましたので写真はありません。

もう1つ必要なのが「デジタル乗客宣言」通称「DPD(Degital Passenger Declaration)」と呼ばれるものです。これまでは入国カードという形でしたが、こちらもコロナをきっかけに形を変えて、スマホのアプリから申請します。特に料金がかかることはありませんが、こちらの入力は出発の7日前から入力することができ、最終的な提出は出発の72時間前から可能となります。理由としては直近の健康チェックなどの項目があるため、出発間際でないとできない仕様となっています。

DPDはスマホアプリから申請する必要があります

DPDはスマホアプリから申請する必要があります

パスポートチップの読み取りなどもあります

パスポートチップの読み取りなどもあります

最終的に申請された画面がこちら

最終的に申請された画面がこちら

今回私は羽田発着のシドニー行き、航空会社は全日空の直行便を利用しました。その時にはまだ日本航空、全日空しかオーストラリアへの直行便は飛んでいなかったのですが、2022年7月からはジェットスターが成田、関空からケアンズ線を再開、そして2022年9月からはカンタス航空も日本との直行便再開を発表しています。

ゴールデンウイーク明けて翌週だったこともあり、それほど人は多くないかと思っていましたが、オーストラリアへは便数が少ないためかなり混雑していました。

しかし見ての通り、羽田空港の第3ターミナル(旧国際線ターミナル)はガランとしていました。夜便ということもあり、そもそも営業しているレストランやショップが少ないのですが、ほとんどのお店が20時から21時くらいで閉店するため、開いているレストランだけが混んでいる状況でした。羽田の深夜便を使う方は事前にお食事などを持ち込むか、空港内のコンビニで買うか、早めに空港に行くか、いずれかをおすすめします。

しかし見ての通り、羽田空港の第3ターミナル(旧国際線ターミナル)はガランとしていました。
夜便ということもあり、そもそも営業しているレストランやショップが少ないのですが、ほとんどのお店が20時から21時くらいで閉店するため、開いているレストランだけが混んでいる状況でした。羽田の深夜便を使う方は事前にお食事などを持ち込むか、空港内のコンビニで買うか、早めに空港に行くか、いずれかをおすすめします。

チェックインカウンターですが、羽田の全日空はほぼ自動化されています。自動チェックイン機にてパスポートを入れ、荷物タグを発行。それを付けて自動荷物預入機に流し込むという流れとなります。並んでいる時にグランドスタッフからワクチン接種証明書の提示を求められ、それを提示するだけだったためまったく時間はかかりませんでした。とは言え、何があるかは分からないのでチェックインカウンターがオープンする出発の3時間前には空港到着するようにお願いします。

出国後エリアもほとんどのお店がやっておらず、自動販売機はいくつかあったので飲み物は買うことができました。そんな人のいない羽田空港ですが、シドニー行きのゲートではご覧のように多くの人であふれていました。

機内ではマスクの着用くらいで特に変化はなく、座席は7割~8割くらいの埋まり具合でした。

自動チェックイン機で荷物タグを発行します

自動チェックイン機で荷物タグを発行します

出発ゲート付近には人が大勢いました

出発ゲート付近には人が大勢いました

直行便で約9時間半、少し眠りにつけばあっという間にシドニーに到着です。やはりオーストラリアは日本との時差がほとんどないため(シドニーは1時間)、到着した後の時差ぼけも感じることなく動けます。

到着後、空港内にあるのがスマートゲートと呼ばれる写真の機械。ここにパスポートを差し込むとチケットが出ます、それを持って無人の自動ゲートに行って写真を撮ると晴れて入国。となる予定でしたが、私が行った際には人によってなのか、スマートゲートの機械がまったく反応せず、多くの人が有人の入国審査ゲートに進んでいたのでした。おそらくこのあたりも今後しっかり改善してくるかと思いますので、そうなると入国自体も非常に簡単になるかと思います。

入国後はスーツケースを受け取り、検疫の列に並びます。私は検疫で何も引っかからなかったのですが、引っかかる人はそこでスーツケースをX線に通して検査し問題がなければそのまま到着ゲートに進むことになります。それほど人は多くなかったものの家族の帰国を待っている方などはいました。

空港に設置されているスマートゲートという機械

空港に設置されているスマートゲートという機械

入国審査を抜けてからスーツケースを受け取ります

入国審査を抜けてからスーツケースを受け取ります

荷物を受け取ってから検疫の行列に並びました

荷物を受け取ってから検疫の行列に並びました

検疫をクリアすると到着ロビーに出ることができます

検疫をクリアすると到着ロビーに出ることができます

まず一番大きな問題が現地でのPCR検査およびその陰性証明書の発行となります。現在は陰性証明書の記載事項必須項目が緩和され、日本フォーマットではなくとも必須記載事項さえ記載されていればOKになりました。とは言え異国でPCR検査の予約をすること、そして陰性証明書を出してもらうことに大きなハードルを感じる方が多いのも事実です。

今回私は帰国時、メルボルンにてPCR検査をしました。メルボルン市内にもいくつかある検査所へ行き、検査をすると翌日メールにて結果が届きます。その際にしっかりと日本フォーマットでの記載となっていました。

メルボルンの検査場、一見検査場とは分からないような場所でした

メルボルンの検査場、一見検査場とは分からないような場所でした

ものの1分もかからずに検査自体は終わります

ものの1分もかからずに検査自体は終わります

またシドニーで一番簡単なのが空港隣にある特設PCR検査会場です。私も帰国時に空港から出て特設会場を訪れました。現在ワクチン接種をしていればほとんどの国が自由に入国できることからそもそもでPCR検査の需要が少ないのか、検査を受けている人は少数でした。ただ帰国ギリギリでの検査は何かあった場合に対処する時間がなくなるので、なるべく帰国の48時間程度前に検査を受けることをおすすめしております。

シドニー空港の外にある特設PCR検査場

シドニー空港の外にある特設PCR検査場

検査場で検査している人はそれほどいませんでした

検査場で検査している人はそれほどいませんでした

PCR検査の陰性証明書が発行されたら、日本帰国時に必要なアプリであるMySOSの最終提出が可能になります。MySOSのアプリには大きく、個人情報の入力、誓約書の入力、ワクチン接種証明書の入力、PCR陰性証明書の入力の4つの項目があります。出発72時間以内の陰性証明書を取る必要があるため、最終的にMySOSを提出できるのも陰性証明書が発行されてから、帰国のギリギリのタイミングになります。ただし申請してからの受理の連絡は非常に速いため、特に苦労することはありませんでした。無事に受理されると赤い色だったアプリのTOPページの色が緑に変わり、これで日本入国時の検疫手続きの短縮となるファストトラックの申請が完了となります。

空港チェックイン時にはMySOSの色が緑に変わっていることを確認して、実際にPCR検査の陰性証明書の提示自体はしませんでした。帰りの飛行機も行き同様、かなり多くの乗客でにぎわっており、それほど空席は多くありませんでした。

チェックイン時、比較的長い時間待ったので早めの空港到着をおすすめします

チェックイン時、比較的長い時間待ったので早めの空港到着をおすすめします

出発ゲートもたくさんの人で混雑していました

出発ゲートもたくさんの人で混雑していました

空港内の免税店やショップ、レストランなどは一部のお店は閉まっていて、おそらく6割程度といったところでしょうか。とは言え行きの羽田空港に比べると通常運転になっていることは間違いないです。

買い残したお土産を買うショップもあります

買い残したお土産を買うショップもあります

アルコール類などの免税店も通常通りオープンしていました

アルコール類などの免税店も通常通りオープンしていました

シドニーを出発して帰国の途へ

シドニーを出発して帰国の途へ

日本到着後、検査場の込み具合によって機内待機の時間が取られます。多くの飛行機が到着するタイミングだと検査場などが混雑しないように機内待機の時間を取るのでした。私が帰国したタイミングは、オーストラリアだけでなく、多くの東南アジアからの便が集中するため機内でも30分程度待機の必要がありました。

その後、飛行機から降機してからは敷かれたレールに乗るだけとはこのこと、ひたすら渡された紙を持ってスタンプラリーのようなものをし続けるというものです。ファストトラックで取得したQRコードはほぼ使わずに日本らしいと言えば日本らしい、まるで社内の部長や上層部のハンコをもらうかのような現代ではなかなか信じられないような方式で入国審査が続きます。

5月だったのでワクチン接種者も到着後の抗原検査がありました。しかし、入国緩和された今ではワクチン完全接種者はそもそもこの帰国後の抗原検査の必要もなくなったので、かなり入国待ちの時間が短縮されているかと思います。抗原検査の結果と同時にピンク色の紙を渡され、これを持って自動の入国審査へ。

長い長い行列をただひたすら進みます

長い長い行列をただひたすら進みます

スタンプカードのようなもの、非接触とはどこへやら…

スタンプカードのようなもの、非接触とはどこへやら…

最終的に証明書も紙という…

最終的に証明書も紙という…

そして、スーツケースを受け取ります。きれいに並べてあるスーツケースを見ると帰国したという気持ちになります。荷物を受け取った後、検疫へ。最終的に問題なければ晴れて無事帰国、という流れになります。

海外から見ると信じられないような手続きが必要だった日本入国。海外旅行から帰ってくる際にもなるべく負担を軽くし、もう少し自由で帰国時にもストレスのないようなやり方に変化する必要があるかと思います。まだ日本帰国時に現地でPCR検査、および陰性証明書の発行が必要ですが、なるべく早くその項目をなくし、日本からの海外旅行者、そして日本に来る旅行者に対してもストレスフリーな海外旅行ができることを願っております。

海外から見ると信じられないような手続きが必要だった日本入国。海外旅行から帰ってくる際にもなるべく負担を軽くし、もう少し自由で帰国時にもストレスのないようなやり方に変化する必要があるかと思います。

まだ日本帰国時に現地でPCR検査、および陰性証明書の発行が必要ですが、なるべく早くその項目をなくし、日本からの海外旅行者、そして日本に来る旅行者に対してもストレスフリーな海外旅行ができることを願っております。

須沢 悠

代表取締役 須沢 悠

オーストラリア入国にはETAとDPDの申請、そして帰国時には現地でのPCR検査および陰性証明書の取得と、MySOSアプリの登録が必要です。なおオーストラリアはコロナ前のものをスマホアプリ化して非接触化しただけでそれ以外はそれほど変わらず。空港内もすべてが非接触化しているのが非常に印象的でした。

対照的に日本は手続きがかなり面倒、そして古典的なやり方が残っているため、一刻も早くアフターコロナの対応ができるように政府をはじめとした関係機関に改善していただきたいと強く感じました。面倒な手続きはいろいろあるものの、ワクチン完全接種者は何の制限もなく旅行に行けるオーストラリア、時差もなく、直行便もあります。

この2年間海外に行けなかった人が久しぶりに行く旅行先としては抜群ではないだろうかと思ったオーストラリア視察でした。現在は入国後の規制も緩くなり、さらに7月からは東京だけでなく関空からジェットスターの運航も再開します。欧州、アメリカが非常に航空券も高額になっている今、オーストラリアが狙い目ですよ!

オーストラリア旅行をご検討中の方は、ぜひティースタイルまでご相談ください。


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※上記内容は2022年5月視察時点のものとなります。内容は変更される場合がございます。あらかじめご了承お願いいたします。