

Jeddah REPORTジェッダ 視察ブログ
【視察レポート】歴史と伝統が息づくサウジアラビアの港町・ジェッダ観光(2025年1月視察①)
こんにちは! トラベルコンサルタントの宮本です。今回、サウジアラビア政府観光局の視察旅行に参加をさせていただき、2019年から観光客の受け入れをスタートした、サウジアラビアを視察させていただきました。こちらのレポートでは、サウジアラビア第2の都市、ジェッダでの観光の様子をお届けします。

サウジアラビア第2の都市、ジェッダ
今回、日本からはエミレーツ航空のドバイ乗り継ぎで、まずはジェッダに到着しました。ドバイからジェッダ行きのフライトの時点で、乗客の方は“巡礼”を目的にサウジアラビアを訪れる方が多いようで、白い布(伝統衣装のイフラム)をまとった方ばかりでした。フライトの時点で、すでにイスラム教の世界に触れているようなな気持ちになりました。

ジェッダに到着すると、すぐに聖地のメッカやメディナへ向けて移動を開始することがほとんどだそうで、ドバイの時点で身支度を整えるそうです(写真:ジェッダ空港内。巡礼に向けて移動される方が多かったです)。
◆サウジアラビアについて学ぶ「タイバット博物館」
ジェッダに到着してまずは、「タイバット博物館(Tayebat Museum)」を訪れました。非常に多くの展示があるのですが、こちらの博物館は、個人の方が経営されているというのがまず驚きでした。ジェッダの旧市街を再現した建物内に、小さな部屋がたくさんあり、サウジアラビアの各地方の生活の様子を展示していました。
同じ国の中でも、地方ごとに文化も違えば、色使いや服装も大きく違うことがよくわかります。各地方を巡る前の事前勉強にもぴったりでした。『千夜一夜物語』のもとになった資料の展示があったりと、アラビアを感じられる貴重な資料も多く展示されています。

タイバット博物館 外観

アラビア語が書かれた壁

メディナの展示室

山岳エリアのミニチュアが展示されていました

敷地内の路地もかわいかったです
◆ウォーターフロントへ「ジェッダ ヨット クラブ」
マリーナエリア側へ移動し、「この海は紅海なんだなぁ」と感慨深く思いながら、「ジェッダ ヨット クラブ(Jeddah Yacht Club)」の遊歩道を歩きました。カフェやショップが並び、夕日スポットにもなっているため、若者のデートスポットでもあるそうです。レストランの営業も、夕方からのオープンが多いそうです。

ヨットクラブの看板

遊歩道

ヨットが停泊している様子
◆フローティングモスクといわれる「アルラーマ モスク」
ヨットクラブからそのまま遊歩道を進むと、「アルラーマ モスク(Al Rahmah Mosque)」が見えてきます。満潮時は、紅海に浮かんでいるように見える、水上のモスクでした。西日に照らされる時間がきれいなので、夕方の時間に訪れるのがおすすめです。
観光がてらに、お祈りの時間に立ち寄る方もいらっしゃるそうで、入っても問題ないとのことだったので、中にもお邪魔させていただきました。モスクの1階では、男性がお祈りし、女性は2階にお祈りのエリアがありました。

水上に浮かぶモスク

真っ白できれいなモスクでした

女性用のプレイヤールーム(お祈り部屋)の看板

女性用のプレイヤールーム

鷲のモニュメント

西日がきれいな時間でした
◆ジェッダの旧市街「アル バラド」
ジェッダの旧市街「アル バラド(Al Balad)」は、昔は城壁に囲まれていたそうですが、今は城壁はなく、門のみが残されています。貿易港としても栄えたジェッダですが、聖地への巡礼の玄関口として、巡礼に向かう途中に滞在する場所にもなっていたそうです。
タイバッド博物館でも見たような、装飾がきれいな木製の出窓(ロシャン)がある建物が続いていました。建物自体は、紅海の珊瑚で作られているそうです。

ジェディード門

旧市街の様子
昔から外のテーブルを囲んだベンチが、男性の社交場(メルカーズ)となっており、いろいろな情報交換をしていたそうです。その会話を女性は家の中から聞いて情報を得るというような文化だったそうで、今も、おじさまたちがテーブルを囲んで、談笑している光景を見ることができました。

昔のメルカーズの様子が描かれた絵画

現在も社交の場
観光名所になっている「バーイシン ハウス(Baishin House)」を見学することができ、昔ながらの生活を感じることができました。入口の上には、ムーンウィンドウと言われる丸い窓があり、暑い日々が続くジェッダの生活で、新鮮で涼しい空気を取り込めるように造られていたそうです。
また、家の中にはモスクのようなお祈りをする場所があり(お金持ちの家にしかないそうです)、女性はモスクに行かなくても良いと言われているため、家の中でお祈りしていたそうです。壁のアラビア語に囲まれ、メッカの方向にお祈りする場所がありました。

バーイシン ハウス

家の中のモスクのような場所

訪れた日が、ちょうど木曜日だったため、イスラム教の方々が、夜明け~日没までプチ断食をしていたタイミングだったそうで、アル バラド内の「アル シャフィー モスク(Al Shafi mosque)」を訪れると、日没後に向けて、バナナと水などの軽食が無料で配られていました(写真:モスク内の様子)。宗教と共に生活をしている姿を見ることができるのも貴重でした。
担当してくださったガイドさんが、お土産にと、アラビア語をその場でキーホルダーやブレスレットチェーン、マグカップなどに彫ってくれるお店に連れて行ってくれました。「何が喜んでくれるかなぁと思って、昨日知り合いの日本人に相談したんだー。プレゼントだよー!」と話してくれ、そのホスピタリティの高さにも感激しました。
書いてほしい文字(名前など)を伝えると、職人さんがその場でひとつひとつ彫ってくれました。

職人さん

マグカップ
旧市街のお店は、夕方になるとだんだんとオープンしていき、街に少しずつ明かりが灯されていくようでした。スーク(市場)の近くには、1800年代後半に当時ジェッダの知事であったオマール ナセフ エフェンディの邸宅として建設された歴史的建造物「ナシーフ ハウス(Nassif House)」がありました。

日暮れと共にお店だんだんとオープンしていきました

スークの様子

スークのお店の様子

ナシーフ ハウス

トラベルコンサルタント 宮本 佳織
初めてのサウジアラビアの都市が、ジェッダだったのですが、ガイドさん含め街中の人々も、とてもおだやかで優しい方ばかりなのがとても印象的でした。旧市街を散策したり、紅海を眺めながら遊歩道を散歩したりと、のんびりしつつ観光も楽しむことができました。
また、車で走っていると、かなり多くのショッピングモールを見かけました(免税店のモールはまだないそうです)。サウジアラビアの玄関口として、ジェッダから入国となることも多いかと思うのですが、伝統的なものも近代的なものも同時に楽しめるジェッダは、とても過ごしやすかったです。
サウジアラビア旅行のご計画は、ぜひティースタイルにご相談ください。
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