【視察レポート】自然に囲まれたポートダグラス拠点のアクティビティ<前編>(オーストラリア/2023年4~5月視察⑩)

トラベルコンサルタントの河原です。ケアンズから北へ約70km、車でわずか1時間ほどに位置する、隠れ家的なリゾート地「ポートダグラス(Port Douglas)」を視察で訪れました。町はコンパクトで、お散歩やレンタサイクルで楽しめる治安のよさと、太平洋に面してビーチやハーバーマリーナがあり、各種マリンアクティビティが楽しめる一方、内陸には世界遺産の熱帯雨林の森が広がり、自然に囲まれたトロピカルな雰囲気で、訪れるゲストを魅了しています。

コロナ禍の間もオーストラリア国内からのゲストはもちろん、入国規制の撤廃後は、さっそく海外からのゲストでにぎわっていた人気のリゾート地です。今回は、ここ、ポートダグラスを拠点にお楽しみいただけるアクティビティについて、いくつかご紹介したいと思います。

青空のもとで気持ちいいビーチウォーク

青空のもとで気持ちいいビーチウォーク

まず、オーストラリアで“クロコダイル”と言えば、ダーウィンなどノーザンテリトリー州が有名ですが、ここクイーンズランド州ポートダグラスでも、野生のクロコダイルを見学できるチャンスがあります! それがこの「ソーラー ウィスパー ワイルドライフ クルーズ(Solar Whisper Wildlife Cruise)」です。

ポートダグラスの町から、さとうきび畑ののどかな風景が広がる道を、車で約20分ほど走った所に乗船場がありました。チケットオフィスの看板などに、“クロコダイル”の文字やイラストが確認でき、見られるハズもない恐竜のオブジェも相まって、アドベンチャー感が高揚してわくわくドキドキしてきます。出発までの待合所には、オーストラリア国内のほか、欧米やアジアからのお客さんも確認できました。

さとうきび畑が広がるのどかな風景

さとうきび畑が広がるのどかな風景

クロコダイルクルーズは1日5~6便

クロコダイルクルーズは1日5~6便

乗船するボート

乗船するボート

そして、いよいよ出発の時間になり、順番にボートに乗船します。定員は、30名弱といった感じでしょうか。あいにくのお天気にもかかわらず、ほぼ満席です。船長(キャプテン)の通称“ダギー(Douggy)”に迎えられて、和やかな雰囲気の中での出航です。

小型ボートの屋根にはソーラー発電パネル

小型ボートの屋根にはソーラー発電パネル

かわいらしい船長、ダギーです(ポートダグラスから取ったというダグラスが本当の名前です)

かわいらしい船長、ダギーです(ポートダグラスから取ったというダグラスが本当の名前です)

ゆっくりと船が動き出すと、スピードが早くないこともあり、揺れも音もなく快適です。船頭さんがマイク越しに、この辺りの生態系や、生息する植物、動物について説明してくれます。15分ほど本流を進んだところで、支流へと進路を変えます。すると、周囲の木々がより近くなり、一気にアドベンチャー感が高揚してきます。

川岸の流木沿いには動物がいるかも?!

川岸の流木沿いには動物がいるかも?!

支流に入ると、さらにうっそうとした雰囲気に

支流に入ると、さらにうっそうとした雰囲気に

「さあ、そろそろか?」と思っていた矢先に、船頭さんから「あそこ!見てください!!」と声がかかり、一気にボルテージが上がります。乗客はみな一瞬「???」となっていましたが、クロコダイルの姿を確認できた人から、抑えめの歓声があがります。そして、私もついに、その姿を確認することができました! 頭しか出ていないため、サイズ感がよくわかりませんが、船頭さんのアナウンスによると、なかなかのビッグサイズだそうです!!

木陰で休息する野生のクロコダイル

木陰で休息する野生のクロコダイル

船の向きを変え、全員が見られる配慮がうれしい

船の向きを変え、全員が見られる配慮がうれしい

クロコダイルの様子を確認しながら、船頭さんは船を回転させて、すべての乗客が見やすいようにという配慮がありがたく、バッチリその姿をカメラに収めることができました。すると、このクロコダイル、「もう(写真)いいかな?」と言わんばかりに、ゆらゆらと泳ぎながら去って行きました。おかげで、泳ぐ姿も動画に収めることができました! なんてサービス精神旺盛なんでしょうか(笑)。皆さまも、ポートダグラスへお越しの際は参加してみてください!

そして、オーストラリアといえば、先住民族「アボリジニ」を忘れてはいけませんね。「ウォークアバウト カルチュラル アドベンチャー ツアー(Walkabout Cultural Adventure tour)」では、この地域の先住民族(ククヤランジ族)の方々の歴史や生活の知恵を、地元のアボリジニガイドの方の案内で紹介しています。

デインツリーの熱帯雨林と、沖合にグレートバリアリーフが広がる、世界遺産が交差するポートダグラス界隈を歩きながら、環境や在来植物の利用方法、薬や食べ物について学び、自らも各種体験をさせてもらいながら、オーストラリア先住民の歴史、文化、伝統についての理解を深めます。ホテルにガイドさんがお迎えに来てくれて、コース概要を説明した後、車に乗り込み出発です!

まずはガイドさんがコース概要を説明

まずはガイドさんがコース概要を説明

ここは熱帯雨林なので小雨でも決行です!

ここは熱帯雨林なので小雨でも決行です!

まず、向かったのはビーチです。砂浜に生い茂る木々の種類や、食用、あるいは薬用としての利用方法について、丁寧に教えてくれます。葉っぱを採って手のひらですり潰すとミントのいい香りがしたり、「ケガした際にはこの葉っぱ」 、「このアリはとっても栄養があるから食べてみて!」 など、実際に体験しながら学びます。

今回の参加者は、欧米やアジアのほか、オーストラリア国内からの参加者もいて、国籍もさまざまでしたが、皆興味深く、アボリジニガイドさんの説明に耳を傾けているのが印象的でした。

木の実を石で擦り潰しての実演に興味津々

木の実を石で擦り潰しての実演に興味津々

ちょこまかと動き回るアリを手に取って

ちょこまかと動き回るアリを手に取って

そしてビーチでは、竹製の木の槍を使って、ヤシの実をターゲットに、ツアー参加者が狩猟体験をさせていただきました。参加者が半分ずつのチームに分かれて、わずか10mほど先に置かれた標的に向かって、みんなで一斉にえいっ!と槍を投げてはみるものの、どちらのチームも誰ひとり命中させることができませんでした(笑)。5〜6回ほど挑戦するも、結果は同じでした。ゲーム感覚で楽しいチャレンジでしたが、「それじゃあ、お魚(海の幸)はゲットできないね~」と、ガイドさんにからかわれながら、全員ギブアップとなりました…残念…!

次は、小雨がやんだビーチを散歩しながら、少し向こうに見えるマングローブの森へ向かいます。マングローブの森に入ると、ガイドさんが、ここでの生態系や動植物、先住民のアボリジニの人たちがどのように自然と共生して来たかなどについて、丁寧に、熱心に、説明してくれました。その後はビーチを離れて、公園や熱帯雨林を訪れて、植物やアボリジニの方々の生活の知恵についてたくさん教えていただきました。

フォーマイルビーチのマングローブの森へ

フォーマイルビーチのマングローブの森へ

マングローブの森で熱心な説明に聞き入ります

マングローブの森で熱心な説明に聞き入ります

知らず知らずのうちにそこそこの距離を歩きますが、途中でスターフルーツやマンゴーなど、新鮮な果物をガイドさん自らがカットして振舞ってくれるので、渇いた喉を潤すことができました。英語でのガイディングですが、興味深い説明と体験が混ざった約4時間コースです。ぜひ、ポートダグラスでお時間があれば、ご参加を検討してみてはいかがでしょうか。

「デインツリー国立公園(Daintree Rainforest National Park)」は、東ククヤランジ族アボリジニの伝統的な場所であり、モスマン渓谷とケープトリビュレーションの2つのセクションで構成される非常に広大な熱帯雨林です。ただし、そのほとんどはアクセスできないエリアのため、この世界最古の熱帯雨林を見学する観光客の多くは、「モスマン渓谷センター」を利用することになります。

車で駐車場に到着すると、すぐ目の前にセンターの入り口があります。センターの中へ入ると、インフォメーションデスクの他に、ギフトショップやカフェ、アボリジニのギャラリーとトイレがありました。まずは、ここで飲み物やレインコートを買ったり、傘を借りたり、お手洗いを済ませたり、レインフォレスト トレイル(熱帯雨林の遊歩道)へ出かける準備をしましょう!

準備ができたら、15分ごとに運行しているシャトルバスで、トレイルの入り口まで約5分ほど、斜面地を上がって行きます。その間も周囲は、どんどん太古の森へと姿を変えていき、ワクワクします。停留所に到着すると、さっきまで小雨程度だった雨が、結構な勢いで降ってきました。そうです、ご承知の通り、ここは熱帯雨林のため、お天気が目まぐるしく変わるのです。そして、雨季にはかなりの確率で降るため、雨具は絶対の必需品です(来訪時にはどうぞお忘れなく)!

雨降って、木輝く!

雨降って、木輝く!

1,000万年以上?とも言われる世界最古の森

1,000万年以上?とも言われる世界最古の森

なお、こちらのセンターでは、「ガイド付きのウォーキングツアー」と「自由散策」が選べますが、今回は「自由散策」で、自身のペースでキレイに整備されたトレイルを上流に向かって歩きました。成人であれば、60分程度で見学できるコースレイアウトになっています。トレイルの要所要所には、展望スポットが設けられていて、さまざまな動植物をより間近に見学できる配慮が感じられます。もちろんバリアフリー対策も万全ですので、車いすのご利用も可能です。

トレイルの折り返し地点には、モスマン川の清流を眺められる展望スポットが設けられていて、世界中からの観光客が訪れていることが印象的でした。客層もさまざまで、小さな子供連れのご家族や年配のご夫婦、ハネムーンと思しきカップル、職場旅行?の小グループなどなど。

うっそうと生い茂る、枯れることのない森

うっそうと生い茂る、枯れることのない森

モスマン川に流れ込む小川がいたるところに

モスマン川に流れ込む小川がいたるところに

世界遺産に登録されているだけあって、ほんとうに見応えのある風景を、雨の中でもスムーズに見学させていただくことができました。写真や言葉では伝えられない、静かな自然の迫力に圧倒されるような不思議な感覚を覚えました。ぜひ皆さまも訪れて、インスパイアされるような体験をお楽しみください!

本当はもう1つアクティビティ「グレートバリアリーフ セイルアウェイ エクスペリエンス(グレートバリアリーフの1日ツアー)」をご紹介したかったのですが、長くなってしまうため、次回の後編レポートでご紹介予定です。ぜひ、そちらもあわせてご覧ください。

河原 広治

トラベルコンサルタント 河原 広治

トロピカルムードが漂うリゾートタウン、ポートダグラスでのご滞在をより充実させてくれるアクティビティがさまざまございます。もちろん、ポートダグラスでの街歩きやレンタサイクル、サンセットクルーズなどもおすすめです! お時間と相談しながら、ぜひポートダグラスでのご滞在をゆっくりとお楽しみください。

オーストラリア旅行をご計画の際には、ぜひお気軽にティースタイルまでご相談ください。


トラベルコンサルタント 河原 広治のご紹介
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■関連記事:

※ポートダグラス拠点のアクティビティ後編のレポートも公開しました。以下リンクよりご覧ください。

【視察レポート】グレートバリアリーフ1日ツアーを満喫! ポートダグラス拠点のアクティビティ<後編>(オーストラリア/2023年4~5月視察⑪)