【視察レポート】ショパンゆかりの地と人気観光スポット巡り! ワルシャワ市内観光(ポーランド/2025年2~3月視察②)

トラベルコンサルタントの廣永です! この度、ポーランド航空と、クロアチアと日本の文化・観光交流を推進する「クロアチア・ハートフルセンター」主催のクロアチア視察に参加してまいりました。クロアチアに到着する前に、短時間ではありますが、乗り継ぎの時間を利用して、ポーランドの首都・ワルシャワを観光しました。旅行会社向けの視察旅行ということで、ガイドさんと観光バスが用意されており、のんびりと街歩きする時間はあいにくありませんでしたが、ワルシャワ市内で訪れた観光スポットをご紹介いたしますね。

カラフルでかわいいワルシャワのシティサイン

カラフルでかわいいワルシャワのシティサイン

2025年はショパンコンクールが開催されるということで、とても盛り上がっているワルシャワ。ワルシャワはショパンが生涯のうちで最も長く暮らした街であり、ショパンゆかりの場所がたくさん残っています。

また、ワルシャワは第二次世界大戦中に徹底的に破壊された街でもあります。現在のワルシャワの街はほぼすべてが戦後再建されたものですが、ただ新しく建てるのではなく、戦前のワルシャワの街を再現すべく復興が進められました。その努力が認められ、ワルシャワの旧市街一帯は世界遺産に登録されています。

こちらはショパンの像がある「ワジェンキ公園」です。この像も戦時中に破壊され、戦後再建されたものです。夏の間は毎週日曜日にサンデーコンサートが開かれ、著名なピアニストの演奏が無料で聴けるということもあり、多くの人でにぎわうそうです。公園内には、ショパンと同時代を生きたハンガリー出身の天才音楽家、リストの像もありますが、こちらは比較的新しい像だそうです。

奥に見えるのはショパンの像

奥に見えるのはショパンの像

横から見たショパン像は印象が変わります

横から見たショパン像は印象が変わります

リストの像

リストの像

ワジェンキ公園を含む、ワルシャワ市内のショパンにゆかりのある15の場所に、「ショパンのベンチ」と呼ばれるベンチが設置されています。

こちらのショパンのベンチにあるスイッチを押すと、『子犬のワルツ』などショパンの名曲が流れる仕組みで、ショパンファンや子供たちに大人気です。ショパンコンクールで第2位となった反田恭平さんは、新世界通りにあるヴィジトキ教会前のショパンのベンチで『変ホ長調のラルゴ』を聴いて感銘を受け、コンクールの3次予選で演奏して高い評価を受けたそうです。

こちらのショパンのベンチにあるスイッチを押すと、『子犬のワルツ』などショパンの名曲が流れる仕組みで、ショパンファンや子供たちに大人気です。

ショパンコンクールで第2位となった反田恭平さんは、新世界通りにあるヴィジトキ教会前のショパンのベンチで『変ホ長調のラルゴ』を聴いて感銘を受け、コンクールの3次予選で演奏して高い評価を受けたそうです。

※ショパンのベンチを動画でも撮影しました。スイッチを押すと、心地の良い音色が流れます。スタンプラリーのように、15のベンチを巡るのも楽しいはず♪


「聖十字架教会」は有名なバロック様式の建築物のひとつで、戦後に再建されたものです。この教会にはショパンの心臓(!)が埋葬されています。ショパンはパリで亡くなりましたが、本人の遺言に従い、心臓は実姉によってワルシャワへと運ばれたそうです。

正十字架教会の祭壇

正十字架教会の祭壇

ショパンの心臓が埋葬されています

ショパンの心臓が埋葬されています

★ショパンが1番長く住んだ家
ショパンの父親はワルシャワ大学の先生だったため、ショパンは7~17歳ごろまでワルシャワ大学内の宿舎に住んでいたそうです。ショパンの父親はフランス人で、大学でフランス語を教えていたそうです。

★ヴィジトキ教会
ワルシャワ大学に隣接する「ヴィジトキ教会」で、若き日のショパンが毎週日曜日にミサで、オルガンを演奏していました。実際にショパンが演奏していたオルガンがそのまま残されています。

★ショパン最後の家
そして、ワルシャワ大学の向かいに建つ美術アカデミーの3階が、ショパン一家のワルシャワでの最後の住まいでした。情勢の悪化とともにショパンはポーランドを離れ、生きて戻ることはありませんでした。

ショパンが長年暮らしたワルシャワ大学

ショパンが長年暮らしたワルシャワ大学

ヴィジトキ教会のパイプオルガン

ヴィジトキ教会のパイプオルガン

ショパンがワルシャワで最後に暮らした家

ショパンがワルシャワで最後に暮らした家

★ポーランド共和国大統領府
ショパンが初めてコンサートを開いた場所が「ポーランド共和国大統領府」です。元は貴族のお屋敷でしたが、現在は大統領府として利用されています。

★ショパンの小道
ショパンが友人に会いに行ったり、買い物をするために大通りへ出る際、ショートカットのために毎日利用した小道は「ショパンの小道」と呼ばれています。

ショパンが最初にコンサートを開いた大統領府

ショパンが最初にコンサートを開いた大統領府

ショパンの小道

ショパンの小道

ショパンが実際に愛用していたピアノやゆかりある品々が展示されている「フレデリック ショパン博物館」。このほか、ショパンの人間関係、楽曲の成り立ち、そして実際の手形まで見ることができる、ショパンファンにはたまらない人気観光スポットです。週末には30分のミニコンサートが3回開かれ、ショパンが作曲した以外の曲なども演奏されています。

フレデリック・ショパン博物館

フレデリック・ショパン博物館

ショパンの手形

ショパンの手形

実際にショパンが演奏していたと言われているピアノ

実際にショパンが演奏していたと言われているピアノ

ワルシャワは他のヨーロッパ主要都市と比べて芸術のレベルが非常に高い街ですが、オペラ、コンサート、バレエなどのチケットは格段に安いそうです。人気の演目は数ヶ月前に完売していることが多いのですが、当日券がでることも多く、さらに当日券は定価よりも安いことから、当日券目当てに朝早くから並ぶファンも多いそうですよ。

そして、ワルシャワの観光スポットはショパン関連だけではありません。他にもポーランドの歴史を支えた偉人や、何度破壊されても諦めずに修復・再現された街のあちらこちらに訪れるべきスポットがあります。

★コペルニクスの像
地動説を唱えたコペルニクスは、ポーランド生まれポーランド育ち。聖十字架教会の斜め向かいにあるポーランド科学アカデミーの前に「コペルニクスの像」があります。像の周りには太陽系が描かれていました。

★アダム ミツキエヴィッチの像
ショパンと同時代に生きたポーランドを代表する詩人「アダム ミツキエヴィッチの像」も訪れました。

★ステファン ヴィシンスキーの像
生涯をもって共産主義と戦い続けた英雄で、千年に一人のポーランド大司教と言われている「ステファン ヴィシンスキーの像」は、ヴィジトキ教会の前の広場にあります。

ポーランド科学アカデミー前のコペルニクスの像

ポーランド科学アカデミー前のコペルニクスの像

アダム ミツキエヴィッチの像

アダム ミツキエヴィッチの像

ステファン ヴィシンスキーの像

ステファン ヴィシンスキーの像

★キュリー夫人の正家(キュリー博物館)
ポーランド出身の物理学者・化学者であり、ノーベル賞を二度受賞したキュリー夫人。彼女の生家が現在「キュリー博物館」となっています。キュリー夫人の母親が当時働いていた寄宿舎の1室に家族で住まわせてもらっていたそうで、現在は1階と2階が博物館になっています。

★王宮と王宮広場
世界大戦中に全壊された「王宮」と「王宮広場」も、戦後に元の姿に再建されました。幾度にもわたる侵略と破壊を経験してきたポーランドの人々は、全壊されることを予想して予め宮殿内の宝物や家具、装飾品などを持ち出していたため、外観のみならず内部まで見事に再建することができたそうです。

キュリー博物館

キュリー博物館

王宮と王宮広場

王宮と王宮広場


★旧市街市場広場
旧市街の中心に位置する「旧市街市場広場」には、街のシンボルである人魚姫像があります。訪れたのは2月でしたが、まだクリスマスマーケットの名残があり、スケートリンクが設置されていました。

★バルバカン
16世紀に旧市街中心部を守るために建設されたバロック様式の大きな馬蹄形砦「バルバカン」。こちらも戦時下に破壊されましたが、見事に再建されています。

★ワルシャワ蜂起記念碑
第二次世界大戦中ポーランドはナチス支配下でしたが、1944年8月1日、ナチスドイツの支配からの解放を求める国内軍を中心としたポーランドの抵抗組織がワルシャワ市民の参加を得て起こした反乱が「ワルシャワ蜂起」です。連合国の支援もほとんどなく圧倒的に不利な状況の中、若者や女性すらも参加したこの反乱。結果的にはワルシャワの街はナチスによって徹底的に破壊され、一般市民20万人が亡くなったと言われています。バルバカンから歩いて5分ほどの場所にある「ワルシャワ蜂起記念碑」からは、当時の壮絶な戦いとやるせなさが伝わってきます。

街のシンボル、旧市街市場広場の人魚姫像

街のシンボル、旧市街市場広場の人魚姫像

バルバカン

バルバカン

ワルシャワ蜂起記念碑

ワルシャワ蜂起記念碑

★『脂の木曜日』とポンチキ
私達がワルシャワ観光をした日は偶然にも『脂の木曜日』にあたっていました。脂の木曜日とは、キリスト教における四旬節と関係した行事です。四旬節の期間中(40日間)はぜいたくをすることが控えられているため、その前に大好きなポンチキ(ポーランド風揚げドーナツ)を食べまくろうという日! この日ひとつもポンチキを食べないと不幸が訪れるとまで言われているそうです。ということで、街中ではポンチキが山のように売られていました。

私たちは、ランチの代わりにおしゃれなカフェ「BELVEDERE CAFE」でポンチキをいただくことになりました。トラディショナルなフレーバーは、バラの実のジャム味とオレンジの皮が乗ったバニラ味ですが、時代の流れにあわせて見た目が映えるものやピスタチオ味など、ポンチキもどんどん進化しているようです。

カフェで大量のポンチキをいただいた後、ラウンジや機内でもポンチキが振る舞われ、ポンチキハラスメントを受けた1日となりました。しばらくポンチキは見たくないです。笑

ふわふわの揚げドーナツ、ポンチキ

ふわふわの揚げドーナツ、ポンチキ

街中でもポンチキが売られていました

街中でもポンチキが売られていました

廣永 亜紀

トラベルコンサルタント 廣永 亜紀

ワルシャワの観光スポットをご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか? 今回訪れた場所は、大体が旧市街周辺に集まっており、徒歩で観光して回ることが可能です。空港を出発してから戻るまで、約5時間という短い滞在でしたが、たくさんのスポットを巡ることができました。まだまだ冬で、草木も枯れており寂しげな風景のワルシャワでしたが、穏やかで治安がよく、再訪したいと思わせてくれる街でした。

見どころであるフレデリック ショパン博物館の展示だけでも、全部を体験するには数日かかると言われています。ショパンのイメージが強いワルシャワですが、実はカフェ文化の街でもあり、おしゃれなカフェ巡りも楽しいですよ! 次回ワルシャワを訪れる際は、しっかり数日かけて素敵なカフェやレストランを開拓したいと思います。

ポーランド旅行をご検討中の方は、ぜひティースタイルまでお問合せください!


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