

Nuwaraeliya REPORTヌワラエリヤ 視察ブログ
【ホテルレポート】ヘリタンス ティー ファクトリー[アクティビティ編](スリランカ・ヌワラエリヤ/2025年4月視察⑤)
2025年4月にスリランカの視察をしてまいりました、トラベルコンサルタントの角です。スリランカは、世界を代表する紅茶「セイロンティー」の産地として知られ、最近では、『午後の紅茶』のCMで登場する高原地帯の様子が気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのCMの撮影地になっているのは、スリランカの茶畑が広がる中央高地の中心、ヌワラエリヤ周辺。そして、その茶畑にたたずむホテル「ヘリタンス ティー ファクトリー Heritance Tea Factory」では、豊かな茶畑と文化に触れながら、五感で紅茶を味わいつくす体験を楽しむことができます!
ヘリタンス ティー ファクトリーについては、2つのレポートに分けてご紹介しています。前回は、ホテルのお部屋や施設を中心に、今回は、紅茶づくしのユニークな体験の様子を、「アクティビティ編」としてお届けします!
※前回のレポートは最下部のリンクよりご覧いただけます。
スリランカの伝統的な衣装を身にまとい、伝統的な茶摘みスタイルを体験! その前にみんな揃って、ヘリタンス ティー ファクトリーをバックに記念撮影♪
◆ホテルの前身は19世紀の紅茶工場
ヘリタンス ティー ファクトリーは、もともと「ヘザーセット」という名前の紅茶工場でした。その歴史ある建物を、建築家ニハル ボディナヤケの監督のもと、元の構造や機械を可能な限り保存しながら“歴史遺産の保存と活用”というコンセプトのもと、ホテルとして再生。このように生まれ変わったホテルの魅力は、単なる宿泊を超えた“体験の旅”にありました!
9世紀の紅茶工場の姿を残すホテルの外観
ヘリタンス ティー ファクトリー周辺には、ホテル専用の茶畑が広がっています
◆紅茶づくしのユニークな体験
ヘリタンス ティー ファクトリーに宿泊するゲストなら、スリランカの伝統衣装であるサリーを身に付け、ホテルの敷地内に広がる茶畑での茶摘み、工場見学、ティーテイスティングを体験することができます。
ホテル専用の小さな紅茶工場
看板がかわいい♪
1. サリーをまとって茶摘み体験からスタート!
まず始めに、スリランカの伝統的な衣装であるサリー(女性)やサロン(男性)を身にまとい、バスケットを背負って、伝統的な茶摘みスタイルに変身です!
長く大きな1枚の布を巧みに折りたたんで、巻き付けて…あっという間に衣装になるのが不思議!
眉間につけるターメリックはヒンドゥー教の女性のファッションのひとつだそう(もともとは宗教的なシンボル)
工場スタッフさんから新芽の摘み方を教わりながら、誰が一番多く摘めるか競争開始!
茶畑に出たら、まずは新芽の見分け方や摘み方を教えてもらいます
新芽とお茶の花
一面緑の茶畑の中で茶摘み競争スタート!
思っていた以上におもしろい!というのが全員一致の感想でした(^^♪ 茶摘み体験、おすすめです!
気付けば黙々と茶摘み作業に集中してしまう真面目な日本人(笑)
おもしろかった茶摘み体験
2. ホテル専用「ミニ ティーファクトリー」で行程見学
茶摘みが終わったら、ホテル専用の紅茶工場として実際に稼働している「ミニ ティーファクトリー」で、摘んだ茶葉から紅茶になるまでの工程を見学します。
こちらがミニ ティーファクトリーです
■紅茶ができるまで! 5つのステップ
1.萎凋(いちょう):しおらせる
まず、摘み取ったばかりの新鮮な茶葉を、風通しの良い場所に広げてしおらせます。
2.揉捻(じゅうねん):もむ
しおらせた茶葉を機械や手でもみ込みます。
3.酸化発酵(さんかはっこう):寝かせる
揉み終わった茶葉を、温度と湿度が管理された部屋で寝かせて酸化発酵させます。この工程が香りと色を生み出す紅茶づくりの最も重要なポイント!で、緑色だった茶葉が赤褐色に変化し、紅茶特有の豊かな香りと深い味わいが生まれます。
4.乾燥(かんそう):変化を止める
ちょうど良い発酵具合になったら、熱風乾燥機に入れて一気に乾燥させます。これにより酸化発酵の働きが止まり、品質が安定します。
5.仕分け・等級分け:選別する
最後に、完成した茶葉をふるいにかけ、葉の大きさや形(グレード)によって選別します。オレンジペコ(OP)やブロークン オレンジペコ(BOP)といった等級に分けられ、出荷されます。
自分たちで摘み取った新芽を工場に持ち込みます
摘み取ったばかりの新鮮な茶葉を広げてしおらせます(萎凋)
しおらせた茶葉を機械で揉み込みます(揉捻)
温度と湿度が管理されたスペースで寝かせて酸化発酵させます
完成した茶葉を葉の大きさや形(グレード)によって選別
茶葉の大きさをそのまま残すホールリーフ(トレーの左手前)と茶葉を細かく砕くブロークンリーフ(右奥)
3. ティーテイスティング
工場見学のあとは、ホテルのロビー奥にあるティーバーにてテイスティングタイムです。紅茶の正しい味わい方や、香りの楽しみ方を学びながら、フレーバーの異なる4種類のセイロンティーを飲み比べることができます。
テイスティングタイム
ティーバーの前にセットされたテイスティングコーナー
4種類の紅茶のテイスティングが始まります

★オレンジ ペコー(OP:Orange Pekoe)
茶葉を砕かずにほぼそのままの形に仕上げたホールリーフの代表的な等級。抽出はゆっくりで、繊細な香りや味わいを楽しむのに向く味わいです。

★ブロークン オレンジ ペコ(BOP:Broken Orange Pekoe)
OPを破砕したブロークンリーフで、茶葉のサイズは中くらい。世界で最も広く流通している等級で、コクと香りのバランスが良い味わいで、ミルクティーなどにも向いています。

★ブロークン オレンジ ペコ ファニングス(BOPF :Broken Orange Pekoe Fannings)
BOPをさらに細かく砕いた茶葉。短時間で濃く抽出できるため、主にティーバッグに使用されます。

★フラワリー オレンジ ペコー(FOP:Flowery Orange Pekoe)
芯芽(チップ)や若い芽を多く含んだ上質な茶葉。香り高いのが特徴で、日本の緑茶に近い味わい。
◆セイロンティーのシャンパンと称される銘茶
ヌワラエリヤは、標高約2,000mに位置する、国内で最も標高の高い紅茶産地です。冷涼な気候と昼夜の大きな寒暖差、そして霧の発生という特有の自然環境が、世界中の紅茶愛好家を魅了する、繊細で優雅な風味を生み出すのだそう。
そして、その爽快な香りと淡く美しい色から、ヌワラエリヤ産の紅茶は「セイロンティーのシャンパン」と称され、スリランカを代表する高級茶のひとつとして知られています。
ヘリタンス ティー ファクトリーのオリジナルティー(※茶葉の等級を表すPekoe、BOP、BOPFの3種セット)はこちらでしか買えないので、特別なお土産としてピッタリです!
お土産に。ヘリタンス ティー ファクトリーのオリジナルティー
ヌワラエリヤの茶畑と農家

トラベルコンサルタント 角 千春
ヘリタンス ティー ファクトリーでの紅茶体験はいかがでしたでしょうか? 日常の喧騒から離れ、清涼な空気に満ちた天空の茶畑で新芽を摘み取る体験は、スリランカならではの忘れられない思い出になること間違いなしです!
ヘリタンス ティー ファクトリーにご興味のある方はもちろん、豊かな自然と文化の真髄に触れることができるスリランカ旅行のご計画は、ティースタイルにお問い合わせください。
トラベルコンサルタント 角 千春のご紹介
■関連ページ:
※こちらは前回のレポートです。あわせてご覧くださいね。