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【視察レポート】アドリア海の隠れた名所・クヴァルネル地方巡り〈クロアチア2日目〉(2025年2~3月視察②)

トラベルコンサルタントの廣永です。2025年3月、ポーランド航空とクロアチア ハートフルセンター主催のクロアチア視察に参加してまいりました。前回レポートした、1日目のザグレブ&イストラ半島に引き続き、視察内容をご紹介してまいります。

クロアチア視察の2日目は、クヴァルネル地方を巡りました。クヴァルネル地方はアドリア海沿いの海が美しいエリアで、中世ヨーロッパの貴族、政治家、芸術家に愛されてきました。

最初に訪れたのは、オパティアです。オパティアはクロアチア屈指の高級リゾート地で、クロアチアで最初にリゾート開発された都市でもあります。端から端まで歩くと1時間半かかる長いプロムナードが海岸沿いにあり、数多くの高級ヴィラ(旧ホテルや別荘)が立ち並んでいます。中心地は再開発され、より美しく整備されていました。ヴィラも古いものはリノベーションをして、ブティックホテルなどに生まれ変わっています。

オパティアのプロムナード

オパティアのプロムナード

1844年に建設されたオパティア最古のヴィラであるヴィラ アンジョリーナは、その美しい姿と庭園はそのままに「オパティア歴史博物館」として利用されています。

ヴィラ アンジョリーナと隣接している大きな公園は、オパティアのシンボルであるカメリア(椿)がたくさん植えられていました。夏にはさまざまなフェスティバルや野外シネマ、冬はクリスマスマーケットやチョコレートフェスティバルなど、多くのイベントが開かれるそうです。

ヴィラ アンジョリーナ

ヴィラ アンジョリーナ

ヴィラ アンジョリーナ隣りの公園

ヴィラ アンジョリーナ隣りの公園

クヴァルネル地方の中心都市・リエカは、港町として栄えてきました。今でもクロアチア最大の貿易港だそうです。街並みはオーストリア文化の影響を受けており、重厚感のある雰囲気です。毎年1~2月には中世から続くリエカ カーニバルが行われ、華やかな仮装行列を見るために多くの観光客が訪れます。私たちがリエカを訪れたのは残念ながらカーニバルの前日だったのですが、大通りにはすでにカーニバルの装飾がされ、準備が進められていました。

大通りにはカーニバルの装飾が!

大通りにはカーニバルの装飾が!

美しいモザイクを発見

美しいモザイクを発見

見ているだけで楽しい気持ちになってくる大きなマーケットも訪れました。野菜、果物、シーフードなどがたくさん並んでいます。このマーケットが街の人々の日常生活を支えているんでしょうね。

マーケットの新鮮な野菜

マーケットの新鮮な野菜

シーフードの種類が豊富でした

シーフードの種類が豊富でした

ここからは、少しディープな視察が始まります。

イストラ半島の山村地帯では、春の前に大きなベルをつけたベルマンが村々を巡り、大きな音を鳴らして厄災を払います。この風習は今でも続いており、ユネスコ無形文化財に登録されています。見た目はなまはげのようで、獣の毛皮を身につけ腰に大きなベルをつけて山の中を練り歩くそうです。

リエカ郊外にある町・ヴィシュコヴォのベルマンの博物館を訪れると、ベルマンたちが実際のコスチューム姿で出迎えてくれました! ベルマンたちは身体を温めるため、出発前にアルコール度数の高いお酒と伝統菓子フリットゥル(小さなドーナツのようなもの)を食べるそうです。

ベルマンたちがお出迎え

ベルマンたちがお出迎え

伝統菓子フリットゥル

伝統菓子フリットゥル

こちらの博物館ではベルマンの歴史を学び、VRを使った体験などができます。館内のレストランでは、地域の伝統料理を試食させていただきました。豆の煮込みやポレンタ(トウモロコシの粉を煮込んで固めた物)など、イタリアとオーストリア両方の文化から影響を受けていることが食からも分かります。レストランの壁に飾ってあるベルマンたちの写真がアイドルのポートレートみたいで面白かったです。

伝統的なベルマンの衣装

伝統的なベルマンの衣装

アイドル風ベルマンポートレート

アイドル風ベルマンポートレート

伝統料理(黄色いのがポレンタ)

伝統料理(黄色いのがポレンタ)

次に訪れたのが、カスタブという小さな村。そこにある「ヘリテージ ホテル ククリク Heritage hotel Kukuriku」というブティックホテルを訪れました。5代目オーナーであるネナド ククリンさんが経営するオーベルジュのようなホテルなのですが、実は彼は世界的にかなり有名なシェフでもあり、こちらでお食事をするためにわざわざ国外から訪れるゲストもいらっしゃるそうです。

実際私たちが訪れた際も、クロアチア内では相当有名らしいセレブがお食事をされていました。ククリンさんは、クヴァルネル地方の食文化を守り継承していく役割を担う「クヴァルネル ヨーロッパグルメデスティネーション」のアンバサダーの1人にも選ばれています。

ヘリテージ ホテル ククリク

ヘリテージ ホテル ククリク

味付けはビネガーが効いていました

味付けはビネガーが効いていました

レストランで試食させていただいた後は、お部屋も少し見学させていただきました。建物自体が宮殿を改装した歴史的建造物であり、高い評価を受けているそうです。ホテルの名前の「ククリク」とはニワトリの鳴き声で、フロントはニワトリモチーフでかわいらしく装飾されていました。

宮殿を改装したお部屋

宮殿を改装したお部屋

モダンなバスルーム

モダンなバスルーム

ニワトリモチーフがかわいいフロント

ニワトリモチーフがかわいいフロント

次に訪れたのはマトゥリです。この日、マトゥリではベルマンのパレード(国際ベルマンパレード)が行われていました。マトゥリ近郊の約10の村でベルマンの伝統が継承されているのですが、パレードの日にはその村々からマトゥリに集まったベルマンたちが村ごとにチームとなって、メインストリートを練り歩くのです(中には、ベルマンは村の外には出ないと決められている村もあるそうで、そういった村はパレードには不参加です)。

ベルマン以外にも、近隣諸国から招待されたグループがそれぞれの伝統衣装を身につけてパレードに参加していました。ヴィシュコヴォの博物館で説明を聞いたばかりのベルマンを肌で感じることができ、たいへん貴重な経験となりました!

練り歩くベルマンたち

練り歩くベルマンたち

村ごとに隊形が変わっていきます

村ごとに隊形が変わっていきます

ゲストチームによるパフォーマンスも!

ゲストチームによるパフォーマンスも!

最後にご紹介するのは、ランチ兼ディナーのために訪れた「ルカヴァツ」です。この地域の伝統料理を提供している「スタンツィヤ コヴァチッチ Stancija Kovacici」というレストランでいただきました。私たちはベルマンパレードの時期ならではの伝統的なメニューをいただきました。寒い時期に体が暖まる優しい味付けのスープ、ほろほろになるまで煮込んだ牛肉の煮込みなど、山岳地域らしいメニューが並びました。

スタンツィヤ コヴァチッチの外観

スタンツィヤ コヴァチッチの外観

野菜と豆、ラムも少し入ったスープ

野菜と豆、ラムも少し入ったスープ

柔らかい牛肉の煮込み

柔らかい牛肉の煮込み

デザートはチョコムースとリンゴタルト

デザートはチョコムースとリンゴタルト

廣永 亜紀

トラベルコンサルタント 廣永 亜紀

クヴァルネル地方、いかがでしたでしょうか。地域の伝統行事など、かなりディープな内容の視察でしたので、今回の機会がなければ私自身一生訪れることがなかったと思う場所ばかりでした。

訪れた各地域で伝統的な料理やお菓子、ワインなどをいただきましたが、すべてがおいしい! 前回レポートしたイストラ半島と今回のクヴァルネル地方は素晴らしい食材の宝庫です。どの街へ行ってもおいしい食事をいただくことができました。ヨーロッパでも有数の美食エリアですので、美食ツアーをお考えの方にぜひおすすめしたいです。

クロアチアへのオーダーメイドの旅は、ぜひティースタイルまでお問い合わせください!


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